Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

淡水・汽水魚

モヨウフグ属の仲間たち

サザナミフグ、スジモヨウフグ カスミフグ、ワモンフグ 和歌山県南部河川 -2.0m 先日は実に2ヶ月ぶりに紀伊半島の川で撮影でした(Fishes of Kii Peninsulaとは…) 潜ったのは紀南地方の、汽水域の撮影でよく訪れる川。秋の汽水域らしく様々な魚をみかけまし…

カネヒラの貝覗き

カネヒラのペア 琵琶湖流入河川 -1.5m コアユの撮影と並行しながら、先月から引き続きカネヒラの撮影です。 ポイントは前回と全く同じ場所でしたが、今回はあいにく天気が悪く、照度不足と濁りのため3日間の撮影日程のうちまともに撮れたのは初日だけ…という…

コアユの産卵

コアユの産卵群 琵琶湖流入河川 -0.5m 琵琶湖ではほかの地域よりもやや早めの、9月上旬からアユ(コアユ)の産卵が始まります。ということで、産卵狙いで先月から撮影を計画していたのですが、予定がかみ合わず、結局産卵シーズンの終盤となるであろう10月の…

カラフトマス

カラフトマス 知床半島の川 -2.0m 知床半島の川で撮影したカラフトマスです。 カラフトマスはほぼすべての個体が、規則正しく生まれてから2年で成熟して川に回帰するという生活史をもっており*1、そのため、偶数年生まれ群と奇数年生まれ群の資源量に差があ…

オショロコマ

オショロコマ 知床の川 -1.5m 北海道シリーズ、続きます。 世界自然遺産、知床半島には半島部に特有の、渓流的環境が海のすぐ近くまで続くような急流河川が多く、そんな川で優占種になっているのがオショロコマです。本種も今回の遠征の大きなターゲットのひ…

北海道、サケの群れ

サケの群れ 知床の川 -1.0m 9/30~10/3の日程で北海道へ撮影遠征に行ってきました。 狙いはこの時期に遡上の盛期を迎えるサケやマスの仲間。サケの不漁がニュースに取り上げられたりと、近年、北海道でも遡上量の減少が目立つサケ・マス類ですが、それでも川…

紀伊半島の淡水魚図鑑No.31 クロハギ

クロハギ Acanthurus xanthopterus 紀伊半島での呼び名:くろはぎ、くろはげ、おじろはぎ 分布:茨城県以南の太平洋岸、南西諸島、小笠原諸島。国外ではインド洋から中央太平洋まで広く分布する。 生息環境:成魚はサンゴ礁域や岩礁域。幼魚はタイドプールや…

琵琶湖のカネヒラ

カネヒラのペア、産卵母貝を探している最中? すっかり秋めいてきたこの頃。秋に婚姻色のピークを迎えるカネヒラの姿を写真に収めに琵琶湖周辺に行ってきました。 最初に入ろうとしていた昨年も撮影を行ったポイントは地形が変わっており、水草も刈られてし…

紀伊半島の淡水魚図鑑No.30 サツキマス/アマゴ

サツキマス/アマゴ Oncorhynchus masou ishikawae 紀伊半島での呼び名:紀伊半島での呼び名:こさめ、あまご、あめご、あめのうお、のぼり(降海型) 分布:神奈川県酒匂川以西の本州太平洋側、四国、および九州東北部の瀬戸内海流入河川。 生息環境:河川上…

紀伊半島の淡水魚図鑑No.29 クサフグ

クサフグ Takifugu alboplumbeus 紀伊半島での呼び名:くさふぐ、しおさいふぐ、なごやふぐ(小型のフグ類の混称) 分布:青森県から沖縄県までの全国。国外では朝鮮半島南部から東シナ海。 生息環境:沿岸浅所から河川汽水域。ときに純淡水域まで遡上するこ…

琵琶湖、ハスの夏

夏の琵琶湖を象徴する魚といえばハスの名前が挙がるのではないでしょうか。ハスは琵琶湖とそれに連なる淀川水系、および福井県の三方湖にのみ自然分布する、オイカワを獰猛にしたような姿かたちの魚で、コイ科魚類では珍しいフィッシュイーターです*1。琵琶…

紀伊半島の淡水魚図鑑No.28 チュウガタスジシマドジョウ

チュウガタスジシマドジョウ Cobitis striata striata 紀伊半島での呼び名:かわどじょう、しまどじょう(シマドジョウ属の混称) 紀の川水系 -1.0m 6月 体側の黒色縦帯がよく目立つ美しいドジョウ。本種をはじめとしたスジシマドジョウの仲間は体側の縞模様…

トサシマドジョウ

トサシマドジョウ 高知県河川 -1.5m 高知県の河川で撮影したトサシマドジョウCobitis sp. BIWAE type Dです。本種はその名のとおり、高知県固有種のシマドジョウで主に県中部の河川中下流域に生息します。本種はシマドジョウ種群4種の中ではヒガシシマドジョ…

四万十川のアカメ

『日本最後の清流』のキャッチフレーズで知られる高知県四万十川、その四万十川を代表する魚といえばやはりアカメではないでしょうか?アカメは日本固有種のLatesの仲間で、その大きさ、姿かたち、希少性etc・・・と、この魚のもつ魅力はもはや語るまでもな…

紀伊半島の淡水魚図鑑No.27 サザナミフグ

サザナミフグ Arothron hispidus 紀伊半島での呼び名:不明(ふぐ?フグ類の混称) サザナミフグ 和歌山県南部河川 -1.5m 黒から茶色の地色に白の細かい点線模様が入る美しいモヨウフグ属の一種。腹側の模様は縦線様で体背側から背面にかけては小白斑が散在…

チョウモドキの寄生

アマゴに多数寄生するチョウモドキ 日置川水系 -1.5m 先日、和歌山県南部の日置川の上流域で撮影していると多くのアマゴの体表に茶色っぽい異物が多数付着しているのを見つけました。これは何だろうか?と撮影した写真を拡大してよく見てみるとエラオ類の寄…

ひさびさの汽水域

最近は岐阜に行ったり、琵琶湖に行ったりと地元、紀伊半島のフィールドがおろそかになっていましたが、先日は久々に紀南地方の汽水域で撮影でした。撮影地はお気に入りの小さな河川。この川は河口域まで高い透明度が保たれており、水中撮影にはうってつけの…

岐阜のハリヨ

揖斐川水系 -0.5m 6月 先週末は紀伊半島から離れて岐阜で撮影でした。狙いは岐阜県と滋賀県にしか生息しないトゲウオ科魚類のハリヨ。トゲウオの仲間は典型的な冷水魚で、高水温に対する耐性がないため温帯に生息する種では年間を通して水温が低く安定してい…

ウシモツゴ

三重県中部 -0.5m 6月 三重県中部で撮影したウシモツゴです。本種は岐阜県、愛知県および三重県のみに分布する東海地方の固有のモツゴの仲間で、かつてこれら3県の平野部一体で広くみられたようですが、近年では河川改修等に伴う生息環境の悪化、外来魚によ…

2022イサザの接岸

琵琶湖 -5.0m 6月 今年もぎりぎりのタイミングでしたが、なんとかイサザの撮影に間に合いました*1。本種は琵琶湖固有種のウキゴリの仲間で、通常は琵琶湖の沖合の中深層に暮らしていますが、繁殖期の春に産卵のため接岸します。 接岸初期はごく浅い水深の場…

ビワヨシノボリの婚姻色

琵琶湖 -2.0m 5月 琵琶湖の名産品のひとつにごりの佃煮というものがあります。“ごり”と総称されるハゼ科の稚魚を甘辛く煮詰めたもので、ヌマチチブやイサザの稚魚も含まれますが、その中でも数が多く、主要な構成員と考えられているのがこのビワヨシノボリで…

琵琶湖のゼゼラ

琵琶湖 -5.0m 6月 今週末も琵琶湖で撮影でした。 写真は北湖で撮影したゼゼラ。琵琶湖内で撮影するのは初めてで、水深5mほどの泥底で多数の個体を確認しました。ナマズ類を探すため夜明けごろに潜っていたのですが、その時にはまだ寝ていたようで、魚眼レン…

イワトコナマズ

イワトコナマズ 琵琶湖 -5.0m この週末は琵琶湖で撮影でした。実は先月もウグイの撮影狙いで行っていたのですが、その時は機材トラブルで1枚も撮影できなかったので、実質的に今シーズン初琵琶湖。狙いは琵琶湖固有種のナマズ2種、ビワコオオナマズとイワト…

イチモンジタナゴ

イチモンジタナゴ 江津湖 -1.0m 自然分布域では絶滅寸前なのに、移入先でなぜか繁栄してしまっている。そんな魚が日本淡水魚では何種かしられていますが、その代表例が本種ではないでしょうか? 本種は濃尾平野以西の中部地方から近畿地方の狭い範囲に分布す…

コクチバス調査

コクチバス 紀の川 -1.0m 先週末は紀の川でコクチバスの調査でした。ちょうど今ごろが本種の産卵期にあたるため、産卵床と稚魚の成育の状況の確認です。 本種は近年、紀の川水系で急速に個体数を増やしていると考えられており生態系への影響が懸念されていま…

オオヨドシマドジョウ

オオヨドシマドジョウ(オス)-1.0m 大淀川水系 宮崎県大淀川水系で撮影したオオヨドシマドジョウです。本種はその名のとおり大淀川水系の固有種で2015年に新種として記載されました。本種の学名Cobitis sakahokoの種小名は大淀川の水源のひとつである霧島連…

キリクチ再び

このところ九州ネタばかりで”Fishes of Kii Peninsula”というタイトルから遠ざかっている当ブログですが、ちゃんと(?)地元のフィールドにも通っています。 先週訪れたのは紀伊半島奥地のキリクチ(ヤマトイワナ紀伊半島集団)の生息地、前回撮影したのが…

カゼトゲタナゴ

カゼトゲタナゴ 九州北部河川 -0.5m 九州シリーズ、続きます。今回の九州遠征でもっとも撮影に時間をかけたのはこのカゼトゲタナゴだったかもしれません。本種はバラタナゴ属に属する小型のタナゴ類で、九州北部にのみ自然分布します。際立った派手さこそあ…

アリアケギバチ

アリアケギバチ -1.0m 大淀川水系 宮崎県大淀川水系で撮影したアリアケギバチです。本種はギバチ属4種のうち九州に分布する固有種で、黄色みの強い体色と深く切れ込まない尾鰭が特徴です。本種はかつて九州各地でごく普通にみられた魚だったようですが、現在…

コウライオヤニラミ

コウライオヤニラミ 大淀川水系 -1.0m 宮崎県大淀川水系で撮影したコウライオヤニラミです。本種はその名のとおり朝鮮半島原産の2017年に初確認された新顔の外来魚で、現在この大淀川水系のとある支流でかなり繁殖してしまっています。日本のオヤニラミに比…