Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

2024-01-01から1年間の記事一覧

ビワマスの跳躍

ビワマスの跳躍 琵琶湖流入河川 大雨で水中のコンディションは渋かった前回のビワマス撮影ですが、こうした増水のタイミングではビワマスたちの遡上が活発になるため、堰や滝の下で盛んにジャンプする姿を観察するチャンスです。 この日も堰堤の下には多くの…

雨の魚、増水のあと

ビワマス 琵琶湖流入河川 -0.5m 台風21号から変わった低気圧と前線の影響によって季節外れの大雨となった先週末。 滋賀県の琵琶湖流入河川も大増水で、待ちに待ったビワマスの撮影のために訪れていた筆者も4日間の撮影日程のうち、2日しか川に入れないという…

サケの遡上

サケ 道央河川 -2.0m サケは太平洋側では茨城県以北、日本海側では山口県以北の河川に広く遡上しますが、やはり個体数の多さで言えば北海道が本場でしょう。北海道におけるサケの遡上時期は早いものでは9月上旬から、遅いものでは年明けくらいまでとかなり幅…

ミヤベイワナ

ミヤベイワナは北海道中部以北に広く分布するオショロコマが、大雪山系にほど近い然別湖で独自の進化を遂げたとされる固有亜種で、世界でも然別湖にしか生息しません。オショロコマとは鰓杷数が多いことによって識別されますが、外見上もっとも大きな違いは…

屈斜路湖のヒメマス

ヒメマスはベニザケの湖沼陸封型で、国内におけるもともとの生息地は北海道東部の阿寒湖とチミケップ湖の2か所のみとされています。一方で本種は水産重要種ゆえに日本各地へ移植が繰り返されてきた歴史があります。明治27年に阿寒湖から支笏湖に移植されたの…

北海道遠征!

サケ 道央河川 -1.0m 3連休+αを利用して2年ぶりの北海道へ撮影遠征に行ってきました。狙いはもちろん、この時期、多くの種が繁殖行動の盛期を迎えるサケマスの撮影です。短い期間でしたが、限られた時間だからこそ逆に集中してシャッターを切ることができて…

みたび、ナガレモンイワナ

コアユの産卵の撮影とあわせ、毎年楽しみにしているのが、秋に婚姻色のピークを迎えるカネヒラの観察と撮影です。毎年必ずカネヒラたちが集まってくるお気に入りのポイントがあるのですが、先日はほとんどカネヒラがいないという状況で撮影はまさかの空振り…

コアユの産卵2024

産卵場に集まるコアユたち -0.3m 琵琶湖流入河川 今年も琵琶湖に注ぐ川でコアユの産卵が始まっています! 今年の夏も非常に暑く、アユたちの成熟も遅れるんじゃないかと思っていたのですが、例年どおり産卵できているようです。ただ、気になるのはこのところ…

ミナミハタタテダイ Heniochus chrysostomus

ミナミハタタテダイ 72.6 mm SL 和歌山県産 ミナミハタタテダイ Heniochus chrysostomus Cuvier, 1831 分類:チョウチョウウオ科ハタタテダイ属分布:西太平洋の熱帯から亜熱帯域に分布.国内では相模湾以南の太平洋沿岸,南西諸島および小笠原諸島備考:項…

キダイ Dentex hypselosomus

キダイ 和歌山県産 167mm SL キダイ Dentex hypselosomus Bleeker, 1854 分類:タイ科キダイ属 分布:青森県出来島,山形県以南の日本海,福島県以南の太平洋沿岸および東シナ海,国外では朝鮮半島南岸,台湾北部,ベトナムおよびインドネシア・ロンボク島な…

エンビサクラダイ:論文が出版されました

先日、拙著が日本魚類学会の和文誌、魚類学雑誌にて公開されました。 www.jstage.jst.go.jp 和歌山県串本町から深海小物釣りで採集されたハナダイ科のOdontanthias randalli を日本初記録種として報告し、新たな標準和名「エンビサクラダイ」を提唱しました…

滝の拝 オオヨシノボリの遡上

オオヨシノボリ 古座川滝の拝 古座川の支流、小川の上流域に位置する名勝「滝の拝」では毎年この時期になると落差8mもの滝の岩盤をよじ登るボウズハゼの姿が風物詩(?)として親しまれています。 先日もそんなボウズハゼの姿を観察しようと、古座川へ行った…

チャイロマルハタ

チャイロマルハタ 紀伊半島南部河川 -1.5m 汽水域に出現するハタの仲間は数種類が知られていますが、その中でも代表的なものが本種、チャイロマルハタです。本種は最大で体長1 mを超える大型のハタで、東南アジアや中華圏では養殖も行われる水産重要種です。…

アユの縄張り争い

アユの闘争 安曇川 -0.5m 今年も安曇川で遡上したアユたちが美しい姿を見せています。今年は琵琶湖全体でコアユの数が少なく、安曇川を含めた各河川への遡上もどうだろうかと思っていたのですが、やはり数は昨年に比べると少ないものの、それでも多くのアユ…

真夏の汽水域

紀伊半島南部の、とある川の汽水域。筆者のお気に入りの水中撮影ポイントであるこの川には毎年夏の盛りのころになると多くの死滅回遊魚の幼魚(ただしこの地では死滅せずに生き残ることも多い)たちが加入してくるようになります。 ハタタテダイ 紀伊半島南…

うろりの群れ

ビワヨシノボリ? -2.0m 琵琶湖 琵琶湖の浅場では今の時期、“うろり”たちがたくさん群れています。 うろりは琵琶湖沿岸地域におけるハゼ科魚類の稚魚を総称した呼び名で、琵琶湖では夏場にこれを沖曳き(ちゅうびき)と呼ばれる底曳き網の一種で漁獲し、醤油…

青はアユより出でてアユより碧し

コアユ 琵琶湖 -0.5m 前回のハスの撮影で川に潜っていると、同所的に群れているコアユの中に1匹だけやたらと青みがかった個体がいることに気付きました。周りが普通のアユたちなので、遠くからでもそのコバルトブルーの体色が良く目立ちます。 これはどうや…

2024ハスの遡上

オス同士の闘争 琵琶湖 -1.0m 今年もハスを追いかけて琵琶湖に注ぐ川へ行ってきました。今年はハスの数が少ないなんて情報もありましたが、実際に訪れてみると昨年と変わらず多くの個体が産卵行動の真っ最中で一安心しました。 相変わらず警戒心が強い魚で、…

磔の微笑:ミナミギンポ

ミナミギンポ 73.6mm SL 和歌山県産 Plagiotremus rhinorhynchos (Bleeker, 1852) 分類:イソギンポ科テンクロスジギンポ属 分布:インド・西太平洋の熱帯域から亜熱帯域.日本国内では房総半島以南の太平洋沿岸,南西諸島. 備考:前後に細長い体形と体側の…

琵琶湖のウキゴリ

先週末は夏本番も目の前ということで、琵琶湖にハスの撮影に行っていたのですが、直前の大雨と機材トラブルに泣かされ、良い写真は一枚も撮れず・・・代わりと言ってはなんですが、ハスの撮影待ちの間、ウキゴリの幼魚がたくさんいたので暇つぶしに図鑑写真…

泥と熱風

昨年からチャレンジしているトビハゼの撮影、この時期はちょうど彼らの繁殖シーズンにあたり、求愛行動もみられるとのことで、2日に分けて今年も干潟に行ってきました。 訪れたのは和歌山県中部と南部の干潟。先日までの梅雨空はどこへやら、灼熱という言葉…

川のその先

汽水域はまさしくハゼの楽園であり、さまざまなハゼたちの棲家となっていますが、その多くは汽水域だけを生活圏にしているというわけではなく、汽水域の延長線上にある内湾域にも生息します。先日はそんな汽水のハゼたちの海での姿を撮影しようと、紀伊半島…

猿と鎌:カマヒレマツゲハゼ

カマヒレマツゲハゼ 47.9mm SL 和歌山県産 カマヒレマツゲハゼ Oxyurichthys cornutus McCulloch and Waite, 1918 分類: ハゼ科サルハゼ属 分布: 千葉県以南の太平洋沿岸および南西諸島.国外では台湾,グアム,マレー諸島,オーストラリア北岸・東岸,フ…

アジアカブトエビ

アジアカブトエビ 和歌山県北部 我が家は和歌山市の郊外にあるのですが、家の周りは田んぼが多く、夜にはカエルの声も聞こえるような、そこそこ自然豊かな環境です。ただし、都市近郊ということもあり、田んぼのまわりの水路は圃場整備で直線的にコンクリー…

ハロクラインを越えて

ボウズハゼの稚魚 -2.0m 紀伊半島南部河川 先日は紀伊半島南部の汽水域で撮影でした。この川では平常時であれば、1mも潜ればハロクライン(淡水層と海水層の境目)を越えて比重の重い海水層にたどりつくのですが、先日からの雨でやや水量が多く、白く濁った…

琵琶湖のヌシ

ビワコオオナマズ 琵琶湖 -3.0m 約1年ぶりにビワコオオナマズの姿を写真に捉えました。前回は12-45mmのズームレンズをカメラに装着していたため、全身を写しきることはできなかったのですが、今回ははじめからオオナマズ狙いで8mm魚眼レンズで撮影したため、…

スジエビ

スジエビ 琵琶湖 -3.0m 右の個体にはエビノコバンが寄生している 琵琶湖で撮影したスジエビです。 南西諸島を除く日本全国に分布する淡水エビで、琵琶湖でも水深1 mから少なくとも90 mの深場まで、あらゆる水深に分布し個体数も多いです。滋賀県では大豆とと…

春から夏へ 琵琶湖の4種のハゼ

ビワヨシノボリ、イサザ オウミヨシノボリ、ヌマチチブ 遠征やら深海小物釣りやらで、ここ1か月ほどなかなか撮影に行けなかったのですが、先日はひさびさに琵琶湖で水中撮影でした。 写真は琵琶湖に棲む4種のハゼ。ビワヨシノボリ、イサザ、オウミヨシノボリ…

水が温む時:スミウキゴリ

スミウキゴリ 87.3mm SL 和歌山県産 スミウキゴリ Gymnogobius petschiliensis (Rendahl, 1924) 分類:ハゼ科ウキゴリ属 分布:北海道南部以南の本州,四国および九州.屋久島,壱岐,対馬.国外では朝鮮半島に分布. 備考:かつてウキゴリ汽水型と呼ばれて…

5月某日、深海小物釣り

例によってまたまた本州最南端へ、今年4回目となる深場小物釣りに行ってきました。 釣りの概要については以前の記事に書いたので、今回は出会えた魚を簡単に紹介したいと思います。 サクラダイ Sacura margaritacea 朝一、釣れてくれたのはサクラダイ。日の…