Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

不定期連載・標本写真シリーズ⑬アカホシキツネベラ

アカホシキツネベラ 137mm SL 和歌山県産 アカホシキツネベラ Bodianus rubrisos 分類:ベラ科タキベラ属 分布:伊豆半島以南の太平洋岸.国外では紅海,インドネシア,オーストラリア北岸,フィリピンおよび台湾から知られる(Baranes et al., 2017). 備…

ビワマスの稚魚

ビワマスの稚魚 琵琶湖流入河川 -0.3m 昨年生まれのビワマスの子供たちがそろそろ成長してきているころかな?と思い、昨年秋に親魚の撮影をした川を覗いてきました。 流心は雪解け水と最近の長雨でかなり流れが速かったのですが、岸際の流れのゆるやかな植生…

ホンモロコの産卵2024

ホンモロコの群れ 琵琶湖 -0.5m 昨年11月末のアユの撮影以降、まったく川に潜らない日々が続いていたのですが、先日ようやく今年初めてとなる水中撮影で琵琶湖に行ってきました。狙いは桜の咲くこの時期、婚姻色と産卵のピークを迎えるウグイ…だったはずなの…

不定期連載・標本写真シリーズ⑫クロホシイシモチ

クロホシイシモチ 72.3 mm SL 和歌山県産 クロホシイシモチ Ostorhinchus notatus (Houttuyn, 1782) 分類:テンジクダイ科スジイシモチ属 分布:千葉県以南の太平洋沿岸,琉球列島,フィリピン,パラオ,ニューカレドニア 備考:沿岸の岩礁域や藻場に生息す…

不定期連載・標本写真シリーズ⑪バラハナダイ

バラハナダイ 117.5 mm SL 和歌山県産 バラハナダイ Odontanthias katayamai (Randall, Maugé and Plessis, 1979) 分類:ハナダイ科イッテンサクラダイ属 分布:相模湾以南の太平洋沿岸,沖縄島,台湾,マリアナ諸島 備考:水深100 m以深の岩礁帯に生息する…

本州最南端で深海小物釣り採集

最近のマイブーム(?)は水深100~200mほどの深場で小さな魚を狙って釣る、通称「深海小物釣り*1」採集です。 おもなターゲットは深場の岩礁帯に棲むハナダイやベラ、トラギスの仲間など。こうした小型魚は底曳き網などの商業漁業の対象にならないことに加…

紀伊半島における川魚文化の覚書き

はじめに 現在のように流通網が発達し、全国で当たり前のように海の魚が食べられる以前は各地で多くの淡水魚が食されてきました。特に大規模水系である琵琶湖や霞ケ浦の周辺、あるいは海産物の入手が難しかった長野県などの内陸部では現在も川魚文化が息づい…

不定期連載・標本写真シリーズ⑩イトベラ

イトベラ 99.8mm SL 和歌山県串本町産 イトベラ Suezichthys gracilis (Steindachner and Döderlein, 1887) 分類:ベラ科イトベラ属 分布:千葉県以南の太平洋沿岸,富山県以南の日本海,瀬戸内海,屋久島,奄美大島,沖縄島および小笠原諸島.国外では朝鮮…

Instagramはじめました(2度目)

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不定期連載・標本写真シリーズ⑨ワカサギ

ワカサギ 上オス73.2mm 下メス70.7mm 琵琶湖産 ワカサギ Hypomesus nipponensis 分類:キュリウオ科ワカサギ属 分布:自然分布域は霞ケ浦以北の本州太平洋側、宍道湖以北の日本海側および北海道。各地の天然湖沼やダム湖に移植分布。 備考:主に東日本の湖沼…

不定期連載・標本写真シリーズ⑧ホシエビス

ホシエビス 46.5mm SL 和歌山県産 ホシエビス Sargocentron punctatissimum 分類:イットウダイ科イットウダイ属 分布:駿河湾以南の太平洋沿岸、琉球列島および南大東島、国外ではインド・太平洋の広域から知られる。 備考:熱帯から亜熱帯の浅場の岩礁域に…

ナガレモンイワナふたたび

ナガレモンイワナ -0.3m 滋賀県河川 先月のビワマス撮影の合間をぬって探しにいったナガレモンイワナです。このときは前日にまとまった雨が降り、ビワマスの産卵場近くも増水し撮影が不可能になってしまったため、急遽増水の影響を受けにくい源流域でのナガ…

不定期連載・標本写真シリーズ⑦ウイゴンベ

ウイゴンベ 83.9mm SL 和歌山県串本町産 ウイゴンベ Cyprinocirrhites polyactis 分類:ゴンベ科 ウイゴンベ属 分布:千葉県房総半島以南の太平洋岸、南西諸島、国外ではインド太平洋の広域から知られている。 備考:主に水深10m以深の岩礁域に生息。何かに…

不定期連載・標本写真シリーズ⑥ヤマユリトラギス

ヤマユリトラギス 90.0mm SL 和歌山県串本町産 ヤマユリトラギス Parapercis kentingensis 分類:トラギス科 トラギス属 分布:相模湾以南の太平洋岸、南西諸島、台湾 備考:水深60~200mのやや深い砂礫底や岩礁域に生息。赤色を基調とする体色をもつトラギ…

不定期連載・標本写真シリーズ⑤ホシノエソ

ホシノエソ 166.3mm SL 和歌山県串本町産 ホシノエソ Synodus hoshinonis 分類:エソ科 アカエソ属 分布:千葉県房総半島から高知県、若狭湾、島根県沖、小笠原諸島、九州北西岸 備考:やや深場の砂泥底に生息。アカエソの仲間は表徴形質に乏しく分類が混乱…

ビワマスの産卵床作り

ビワマスのメス 琵琶湖流入河川 -0.3m 11月も後半に差しかかりビワマスの遡上数も少なくなってきたため、今年のビワマス撮影も終わりにしたいと思います。今年も産卵の瞬間を追い求めての琵琶湖通いでしたが、なかなかタイミングを合わせきれずにシーズン終…

光射すビワマスの淵

ビワマスの群れ 琵琶湖流入河川 -2.0m 前の記事と同じ場所ですが、前回の撮影の翌日に再び訪れるとさらに透明度が上がっており澄んだ水と光が降り注ぐ中をビワマスの群れが泳ぐという素晴らしい光景を写すことができました。基本的にビワマスは雨による出水…

2023ビワマスの遡上

淵に群れるビワマス 琵琶湖流入河川 −2.0m 今年も琵琶湖に注ぐ川にビワマスたちが帰ってくる季節になりました。 ここ3年ほど毎年ビワマスの産卵シーンの撮影を狙っていて、昨年は産卵の瞬間の撮影自体には成功したものの、ペアの周辺の環境などのシチュエー…

カネヒラの闘争

カネヒラの闘争 琵琶湖 -1.0m 琵琶湖ではカネヒラの産卵期が続いています。 縄張りをもつオスたちはほかのオスを確認するや否やひれを全開にしてお互いに威嚇しあいます。力の差がある場合、勝負は一瞬でつきますが、これが拮抗しているときは互いの尾びれを…

カネヒラの婚姻色

カネヒラ 琵琶湖 -1.0m 今年も秋産卵のカネヒラの婚姻色に誘われて琵琶湖へ撮影に行ってきました。 撮影場所は昨年と同じ琵琶湖に注ぐ水路の一角。産卵母貝となるタテボシガイが多く、安定的にカネヒラがみられるポイントです。 9月下旬の段階では小型個体の…

コアユの産卵2023

コアユの産卵 琵琶湖流入河川 -0.5m 今年はこの夏の猛暑の影響か、琵琶湖のコアユたちの産卵も例年に比べかなり遅れていたのですが、10月に入りようやく本格化しはじめたようです。 夏までは川の上中流域で暮らしていた、あるいは逆に琵琶湖の中を回遊してい…

キジムナーボウズハゼ

キジムナーボウズハゼ 沖縄島 -1.0m 最近は撮影になかなか行けない日々が続いているので、過去写真でも紹介してお茶を濁しておきます…ということで、2年ほど前に沖縄島の河川で撮影したキジムナーボウズハゼ Lentipes kijimunaです。 本種は南西諸島に広く分…

琵琶湖の3種のフナ

ゲンゴロウブナ 琵琶湖 -1.0m ギンブナ(左)、ニゴロブナ(右) 琵琶湖 -1.0m 琵琶湖で撮影したゲンゴロウブナ、ニゴロブナおよびギンブナです。琵琶湖にはこれら3種のフナが生息し、しばしば同じ群れを作ってくらしています。なお、3種のうちゲンゴロウブ…

不定期連載・標本写真シリーズ④オイカワ

オイカワ 95.3mm SL 紀の川水系産 オイカワ Zacco platypus 分類:コイ科/クセノキプリス科 オイカワ属 分布:自然分布域は関東地方以西の本州。四国瀬戸内海側、九州北部。主に琵琶湖産アユへの混入と思われる放流により日本各地に移入。 備考:河川中下流…

カネヒラの群れ

カネヒラ 琵琶湖 -1.0m この週末はひさびさに(※1か月ぶり)の琵琶湖でした。 9月も後半ということで、そろそろコアユの産卵とカネヒラの繁殖行動が見られるのではないかと思い琵琶湖へ向かったのですが、コアユもカネヒラも婚姻色が出ている個体はほとんど…

クロホシマンジュウダイ

クロホシマンジュウダイの群れ -5.0m 四万十川 四万十川の河口域ではアカメのほか、様々な種類の魚たちを見ることができますが、中でもその特徴的なシルエットで異彩を放っているのがこのクロホシマンジュウダイです。 紀伊半島の汽水域でも時々小さなサイズ…

クロウミウマの稚魚

クロウミウマ 紀伊半島南部河川 -1.0m 先日の土曜日はひさびさに紀伊半島南部の汽水域で撮影でした。 これまでになんども通っている川ですが、夏から秋にかけて死滅回遊系の魚の出現が多く、毎年のように新たな種類の魚を見かける個人的にはイチオシのポイン…

ヒナイシドジョウ

ヒナイシドジョウ 四万十川水系 -1.0m 四万十川上流域で撮影したヒナイシドジョウです。 本種は四国西南部の愛媛県と高知県の 9 水系にのみ生息する小型のシマドジョウの仲間です。長らく中国地方と九州北部に分布するイシドジョウと同種として扱われていま…

四万十川、濁りの中のアカメ

アカメ 四万十川 -3.0m 今年も四万十川にアカメの撮影に行ってきました! 最近の長雨による増水と潮回りの条件もよくなかったためか、去年の同じ時期に比べるとだいぶ濁っていましたが、アカメの姿は拝むことができました。数自体は去年よりも多く、6~7匹の…

ナガレモンイワナ

ナガレモンイワナ -1.0m 滋賀県河川 先日は滋賀県のとある川の上流域へ“幻のイワナ”ともいわれるナガレモンイワナの撮影を狙いに行きました。 ナガレモンイワナは漢字で書くと「流紋岩魚」。その名のとおり通常のイワナであれば斑点模様があるところが、前後…