Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

ホンモロコの産卵2024

ホンモロコの群れ 琵琶湖 -0.5m

昨年11月末のアユの撮影以降、まったく川に潜らない日々が続いていたのですが、先日ようやく今年初めてとなる水中撮影で琵琶湖に行ってきました。狙いは桜の咲くこの時期、婚姻色と産卵のピークを迎えるウグイ…だったはずなのですが、目当ての川に行ってみると残念ながらウグイの姿はほとんどなく、代わりと言っては何ですが昨年もホンモロコを撮影したとある川を覗いてきました。

昨年の同時期に比べると数はやや少なかったですが、今年もちゃんと遡上してきていて一安心でした。本種は粘着性の強い卵を産み、湖内では岸際のヤナギの根に産卵するとで有名ですが、この場所では石積みの間に産み付けているようで、しきりに石の間に出たり入ったりしていました。

近年、琵琶湖ではホンモロコの資源量が回復傾向にあり、産卵場所も増えてきているようです。とめどない開発や外来種の脅威など、暗い話題の続く日本淡水魚界において、珍しい明るいニュースと言えるでしょう。一方で長年の漁獲量の低迷でホンモロコを食べる文化が薄れてしまい、食材としての需要が戻らないという新たな課題も生まれているそうです。

 

camera : OM-1
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
strobe:D-200, Z-240