琵琶湖で撮影したホンモロコの産卵です。
本種は琵琶湖固有のモロコの仲間で、普段は琵琶湖の中で回遊生活を送っていますが、毎年春になると琵琶湖沿岸や内湖、流入河川などに遡上して産卵します。長らくその様子を観察してみたいと思っていたのですが、今回、琵琶湖のとある場所にてついに出会うことができました。
産卵場所は岸際の抽水植物、特に水没したヤナギの根に産卵することが知られていますが、この場所では積まれた石の上や隙間を産卵基質として利用しているようでした。
本種は水産重要種で食べておいしいことでも知られ、漁獲量は昭和から平成初期までは毎年2、300トンほどありました。しかし産卵場の環境悪化や捕食者であるオオクチバスの増加に加え、可動堰による水位調整が始まったことで、卵が干上がってしまうことが増えたなどの理由により平成7年ほどを境に資源量が激減し、本種に関する文化も消滅の危機にありました。しかし、上記の原因に対する改善の取り組みが功を奏し、喜ばしいことに近年は資源量が回復傾向にあります。とはいえかつての水準からしてみれば微々たるもの。今後も琵琶湖の環境がさらに良くなっていって本来あったはずの大産卵群がみられるようになることを願います。
camera : E-M1 markⅡ
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO, M. ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
strobe:D-200, D-2000