Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

オオクチバスの稚魚

オオクチバスの稚魚 琵琶湖 -2.0m

琵琶湖で撮影したオオクチバスの稚魚です。

本種のオスには孵化した仔稚魚をしばらくの間保護する習性があります。多くの魚類において仔稚魚期は最も多くの外敵に狙われ、減耗の激しい時期ですが、これを親が庇護することにより1匹でも多くの子孫を残すための進化的戦略と考えられています。オスの保護が終了する時期は個体や巣によってさまざまで、早いものでは後期屈曲期仔魚のうちに巣を離れます(淀,2014)

写真の個体も早期に巣を離れた集団のようで、体長は5~6mmほど。まだ背鰭や臀鰭の鰭条も完成していません。湖底近くを優に数百匹を超えるような数で群れており、これが全部成魚になったら…と思うとゾッとしますが、周りを泳ぐブルーギルの若魚に次々と捕食されていました。琵琶湖において成魚ではほぼ敵なしといえるオオクチバスですが、しばらくは親の保護があるとはいえ稚魚のうちはさまざまな危険にさらされるようです。

 

引用文献

淀 大我.2014.オオクチバス,pp. 722–723.沖山宗男(編)日本産稚魚図鑑.
第 2 版.東海大学出版会,秦野.

 

camera : OM-1
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-200, Z-240