Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

ニゴロブナ

ニゴロブナ 琵琶湖 -2.0m

琵琶湖には3種のフナが生息しますが、そのうちの一種がこのニゴロブナです。寿司の原型とされる郷土料理のふなずしの材料となることで有名な琵琶湖固有のフナで、体高の低いややスレンダーな体形と角ばった下あごが特徴…なのですが、フナの同定は難しく、特に琵琶湖ではギンブナ(ヒワラ)の形態変異の幅が広いために見分けるのは容易ではありません。

ただし、ギンブナはクローン3倍体の雌性発生で繁殖し、基本的にオスがいないため、オスのフナを見ればギンブナではないとわかります。またもう一つの琵琶湖固有種のフナであるゲンゴロウブナはかなり体高が高く、体形が異なるため、オスの細長いフナを琵琶湖で見たらニゴロブナだと思ってほぼ間違いないでしょう。

写真の個体もオスで、よく見ると鰓蓋や胸鰭に追星が出ているのがわかります。フナはおっとりしたイメージとは裏腹にとても警戒心が強い魚で、潜っていてこちらの姿に気がつくとすぐに逃げてしまうことが多いです。写真は夜間撮影したもので、夜は寝ているためいくらか接近しやすくなりますが、それでもずっと光で照らしているといずれは逃げ去ってしまいます。

 

camera : OM-1
lens : M. ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
strobe:D-200, Z-240