Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

アブラボテの婚姻色

先日は1年ぶりに和歌山北部のアブラボテの撮影に行ってきました。

今年のGWは何かと雨続きで、その影響もあり透明度は良いとは言えない状況でしたが、婚姻色のオスの姿もしっかりと写すことができました。

本種は大胆不敵というか不思議な魚で、潜って出会った最初はこちらに姿に驚き逃げ惑いますが、しばらくこちらが動かずじっとしていると、危険な存在ではないと認識するのか警戒を解き、向こうから寄ってくるようになります。

あまりに近くに寄れすぎてしまうため、撮影には普段よく使う60mmマクロよりも焦点距離の短い30mmマクロを使用しました。30mmマクロの方が撮影距離が短くなるため、濁りの影響を受けにくいのと、フォーカシングも速いためびゅんびゅん泳ぎ回るタナゴの撮影には向いているかもしれません。

f:id:oryza_818:20210506180839j:plain

アブラボテ 和歌山県北部河川 −0.5m

f:id:oryza_818:20210506180925j:plain

アブラボテ 和歌山県北部河川 −0.5m

しばらく撮影を続けていると時折、川底を覗き込むような行動を見せる個体もいました。これが産卵母貝を見定めするという「貝覗き」なのでしょうか・・・(単に餌を探しているだけのような気もしますが)

まだしばらくは彼らの繁殖シーズンも続きますので、今年は産卵の瞬間の撮影にチャレンジしてみても面白いかもしれません。まぁ私の住んでいる新宮市からこのポイントまでは同じ県内とは言えそれなりに遠いのですが・・・

f:id:oryza_818:20210506181151j:plain

貝覗き?をするメス

f:id:oryza_818:20210506181613j:plain

アブラボテの群れとコイ

camera : E-M1 markⅡ
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro, LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5
strobe:D-200, D-2000

ウグイの産卵群

琵琶湖流入河川で撮影したウグイの産卵群です。

f:id:oryza_818:20210501205336j:plain

ウグイの群れ 琵琶湖流入河川 ー1.0m

琵琶湖では普段湖内に棲んでいるウグイたちがこの時期になると大挙して流入河川に遡上し産卵します。

先日の琵琶湖への遠征の大きな目的の一つがこのウグイの産卵を見ることでした。ウグイは春から初夏にかけて集団で産卵する生態をもっており、その時期には美しい婚姻色を身に纏うこともあり、淡水魚好きとしてはぜひ目にしたい光景の一つでした。

 

f:id:oryza_818:20210501210522j:plain

 

今回の群れはオス主体(というかオスしかいない?)で、産卵行動までは恐らく至っていませんでした。できれば産卵の瞬間まで見てみたい…さすがに琵琶湖まで毎週ウグイを見に行くのは難しいため、地元の紀伊半島の川でも産卵場所を探していきたいと思います。

 

camera : E-M1 markⅡ
lens : LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5
strobe:D-200, D-2000

イサザ Gymnogobius isaza

この週末は少し足を伸ばして琵琶湖へ撮影に行きました。写真はナイトダイブで出会ったイサザ。本種は琵琶湖の環境に適応し独自の進化を遂げたウキゴリの仲間で、普段は琵琶湖の沖合にいますが、春の繁殖期には産卵のため接岸します。

f:id:oryza_818:20210427083002j:plain

イサザ 琵琶湖 -1.0m

紀伊半島でもよくみかける近縁のウキゴリやスミウキゴリに比べると臆病でライトを向けるとすぐに湖底に繁茂する藻に逃げ込んでしまうため、撮影は存外に難しかったです。ウキゴリの仲間らしくふわふわとホバリングしていることが多く、そうした生態を感じられる写真を撮りたい、と思っていたのですが、結局形になったのは上の一枚だけでした。

f:id:oryza_818:20210427083745j:plain

黄色いお腹が目立つ

f:id:oryza_818:20210427083806j:plain

藻に絡む

camera : E-M1 markⅡ
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-200, D-2000

地球の海フォトコンで環境大臣賞をいただきました

このたび世界最大規模の水中写真の公募展「地球の海フォトコンテスト」に応募した作品が環境大臣賞/優秀賞に選ばれました。こうしたフォトコンに応募するのは今回が初めてで、いきなり何やらすごそうな賞をいただいてしまい、大変恐縮というか嬉しいというか・・・

3月の頭に先行してウェブ上で入賞者の発表があり、はえ~入賞したんや、という雑な感想をいだいてその時は終わったのですが、後日フォトコンの事務局の方から環境大臣賞受賞ということで個別で電話連絡があり、まさか上位入賞していたとは思ってもみなかったので驚きました。

marinediving.com

 

件の写真はこちらで『薄暮に集う』というタイトルで応募させていただきました。このブログにも、それからTwitterにも載せた写真なので(Twitterに載せたやつは受賞の連絡が来てから速攻消した)、今さら感はありますが解説しますと、昨年の12月に三重県の銚子川で撮影した写真で、写っているのは産卵のため下流域の早瀬に集まったアユです。昨年の秋から冬にかけてはアユの産卵の撮影に力を入れ、紀伊半島の4河川で撮影に挑戦しましたがうまくタイミングを合わせきれず、ようやく最後にこの銚子川で撮影に漕ぎつけました。

f:id:oryza_818:20201214081211j:plain

 

前日にマクロレンズを使って撮影していたため、この日は魚眼レンズを使ってワイドで撮ってみることに。色々なアングルで撮ってみましたが、一番試してみたかったのは夕刻の空の色を取り入れた半水面撮影でした。半水面はよくある撮影手法ですが、トワイライトシーンと組み合わせた写真はなかなか無い(ように思えた)ことと、夕方から産卵を始めるというアユの生態ともマッチしているように感じられたからです。

産卵の瞬間は収めきれなかったこと、アユの群れに寄り切れなかったこと、感度が上がりすぎてしまったことなど課題はいくつかあるのですが、結果的には思い描いていたのに近い写真を撮ることができお気に入りの一枚となりました。この時はドライスーツが浸水状態だったため、寒さに震えながら早瀬に這いつくばって撮影したのですが、そうした苦労(?)も報われ良かったです。

まだまだ撮りたい魚もシーンもたくさんありますし、この受賞を糧にさらに皆様に素晴らしいと言っていただける写真を撮り続けていきたいと思っていますので、これからも何卒よろしくお願いします。

 

camera : E-M1 markⅡ
lens : LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5
strobe:D-200, D-2000