Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

いわなのくに

先日は3年ぶり?くらいにキリクチの生息地を訪れてきました。

撮影ポイントへのアクセスなどは過去の記事に書いているので割愛しますが、だんだんザックを背負うのがうまくなってきて、今回はほとんど筋肉痛になりませんでした。成長してきてる!!

nature-key-peninsula.hatenadiary.com

異常登山すぎる


約1時間の登山でポイント到着。が、過去一水が少なく(今年のGWは雨ばかりだったのに何故・・・?)、イワナの姿もいるにはいるが、少ないという寂しい状況。そこでもう少し登ってイワナが多産するポイントを探してみることにしました(若干危ないガレ場とはしご場があるのでやや緊張します・・・)。

 

 

キリクチ -1.0m 紀伊半島


結果的にはこれが正解で、深い淵に潜るとそこかしこにキリクチの姿が!水の透明度もあいまって素晴らしい光景です。これからはこちらのポイントで撮影するか・・・

 


イワナの仲間は渓流魚らしく警戒心が強いのが常で、キリクチも基本的にはこちらの姿を見ると逃げ隠れしてしまう個体がほとんどです。しかし、中には割とのんびりした性格の個体もおり、そうした個体であればかなりベタ寄りで撮影できます。この場所は禁漁区なのであんまりスレていないのかもしれませんね。

産卵適地になりそうな浅瀬も見つけたので、秋に来れば繁殖行動も観察できそうな感じです。まぁ登山がきついのでそう頻繁には来れないと思いますが・・・

 

camera : OM-1
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
strobe:D-200, D-2000

ツチフキ

ツチフキ -0.5m 琵琶湖流入水路

ホンモロコの撮影で某水路に潜っているとやたらとずんぐりしたカマツカっぽい魚が目の前をスッと横切っていきました。この魚が出るとは思っていなかったので、即座に判断できなかったのですが、そうです、ツチフキです!

ツチフキはこれまで撮影経験がほとんどない魚で、昨年ゼゼラを探して北部九州の水路に潜ったときに幼魚を見かけたことがあるのみでした。今回の個体は追星の発現した立派なオスでこれぞツチフキという魅力にあふれていました。淡水域の撮影は思わぬ出会いというものは基本的になかなか無いのですが、久々に嬉しい収穫となりました。

本種は琵琶湖水系では数が少なく、どこでも見られる魚ではありません。そもそも移入という説もあるのですが、これは日本魚類学と父とされる魚類学者、田中茂穂が琵琶湖での分布に疑問を呈した後、中村守純博士が1937年に奈良県から移入したコイやタモロコを入れた池で本種を見かけたことや、その後野洲や草津周辺で本種が増加したことを理由に、移入と判断したことが発端です(川瀬,2024)しかし、近年行われたDNA解析の結果では移入と判断できる情報はなく、未だ謎多き存在とされています。

 

引用文献

藤岡康弘・川瀬成吾・田畑諒一(編).2024.琵琶湖の魚類図鑑.サンライズ出版,彦根市.229 pp.

 

camera : OM-1
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
strobe:D-200, D-2000

ホンモロコを狩るカルガモ

カルガモの捕食

ヤナギの根に産卵するホンモロコの様子を観察しているとおもむろに背後からカルガモが2羽近づいてきました。何をするのかな?と思ったのもつかの間、パクリと産卵中のホンモロコを咥えてそのまま飲み込んでしまいました!

全然知らなかったのですが、カルガモは魚を食べることがあるようで、特に繁殖前のメスが卵を産むための栄養をつけるため肉食傾向が強くなるそうです。

ちなみにせっかく産んだホンモロコの卵も食べまくっていました。モロコたちからすると災難でしかないですが、ホンモロコの存在は多くの生き物たちを支えています。

産卵中のホンモロコにアタック!が、これは失敗

卵も食べまくる

camera : OM-1
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO

ホンモロコの産卵

水路に遡上したホンモロコの群れ

琵琶湖で近年資源量が増えてきているホンモロコ、今年も3月下旬以降あちらこちらで産卵のため集まっているのが見られました。

 

本種は多様な産卵場所を利用しており、流入河川の砂礫底や積み石の隙間、岸際の植生など様々ですが、とりわけ重要なのが湖岸に生えるヤナギの根です。近年の研究でホンモロコはヤナギの根が繁茂し、水深が浅く、流れが早い場所を選択して産卵することが示されており、こうした場所に産卵した卵には酸素が効率よく供給され、孵化率を高めることができると考えられています。

かつては200~400トンの漁獲量があったホンモロコ、当時の資源水準にはまだまだ足りないものの、最も資源が少なくなっていた時期から考えるとずいぶんと回復してきました。湖岸でモロコ捕りをする人の姿も見え、捕る文化も少しずつ復活しているようです。

 

camera : OM-1
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro, M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO(水上)
strobe:D-200, D-2000