Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

紀伊半島

紀伊半島のナンヨウボウズハゼ

ナンヨウボウズハゼ 和歌山県南部河川 -0.3m 川での水中撮影を本格的に始め、紀伊半島南部の川へ足繁く通うようになった6年前の2019年、当時の筆者が一番見たかった魚が何を隠そうこのナンヨウボウズハゼでした。美麗種という言葉がぴったりの美しい配色に南…

クロシオ・カミングバック

7年9か月もの間続いた黒潮大蛇行がついに終わるのか!?と世間を騒がせています。紀伊半島沖で大きく蛇行していた黒潮ですが、今年の4月後半に蛇行を形成していた渦が突如として黒潮からちぎれ、これに続く形で黒潮流路自体も紀伊半島に大きく近づいています…

紀伊半島、稚アユの跳躍

紀伊半島の河川ではアユの遡上がピークを迎えています。 今年はひさびさに遡上数が多い、アユの当たり年らしく、この日も魚道の中にはたくさんの稚アユたちが群れていました。夕方、特に気温の高い日は活性が上がり、次から次へとジャンプを繰り返して遡上し…

アユの遡上2025

アユ稚魚 -1.0m 2月 紀伊半島南部では2月の半ばごろにはアユの遡上が始まります。本格的な遡上は3月に入ってからですが、春を先取りして?一足先にアユの姿を撮影してきました。この冬は寒波が相次いだせいか水温もまだ低く遡上数は少な目でしたが、まずは今…

エンビサクラダイ:論文が出版されました

先日、拙著が日本魚類学会の和文誌、魚類学雑誌にて公開されました。 www.jstage.jst.go.jp 和歌山県串本町から深海小物釣りで採集されたハナダイ科のOdontanthias randalli を日本初記録種として報告し、新たな標準和名「エンビサクラダイ」を提唱しました…

滝の拝 オオヨシノボリの遡上

オオヨシノボリ 古座川滝の拝 古座川の支流、小川の上流域に位置する名勝「滝の拝」では毎年この時期になると落差8mもの滝の岩盤をよじ登るボウズハゼの姿が風物詩(?)として親しまれています。 先日もそんなボウズハゼの姿を観察しようと、古座川へ行った…

チャイロマルハタ

チャイロマルハタ 紀伊半島南部河川 -1.5m 汽水域に出現するハタの仲間は数種類が知られていますが、その中でも代表的なものが本種、チャイロマルハタです。本種は最大で体長1 mを超える大型のハタで、東南アジアや中華圏では養殖も行われる水産重要種です。…

真夏の汽水域

紀伊半島南部の、とある川の汽水域。筆者のお気に入りの水中撮影ポイントであるこの川には毎年夏の盛りのころになると多くの死滅回遊魚の幼魚(ただしこの地では死滅せずに生き残ることも多い)たちが加入してくるようになります。 ハタタテダイ 紀伊半島南…

泥と熱風

昨年からチャレンジしているトビハゼの撮影、この時期はちょうど彼らの繁殖シーズンにあたり、求愛行動もみられるとのことで、2日に分けて今年も干潟に行ってきました。 訪れたのは和歌山県中部と南部の干潟。先日までの梅雨空はどこへやら、灼熱という言葉…

川のその先

汽水域はまさしくハゼの楽園であり、さまざまなハゼたちの棲家となっていますが、その多くは汽水域だけを生活圏にしているというわけではなく、汽水域の延長線上にある内湾域にも生息します。先日はそんな汽水のハゼたちの海での姿を撮影しようと、紀伊半島…

猿と鎌:カマヒレマツゲハゼ

カマヒレマツゲハゼ 47.9mm SL 和歌山県産 カマヒレマツゲハゼ Oxyurichthys cornutus McCulloch and Waite, 1918 分類: ハゼ科サルハゼ属 分布: 千葉県以南の太平洋沿岸および南西諸島.国外では台湾,グアム,マレー諸島,オーストラリア北岸・東岸,フ…

アジアカブトエビ

アジアカブトエビ 和歌山県北部 我が家は和歌山市の郊外にあるのですが、家の周りは田んぼが多く、夜にはカエルの声も聞こえるような、そこそこ自然豊かな環境です。ただし、都市近郊ということもあり、田んぼのまわりの水路は圃場整備で直線的にコンクリー…

ハロクラインを越えて

ボウズハゼの稚魚 -2.0m 紀伊半島南部河川 先日は紀伊半島南部の汽水域で撮影でした。この川では平常時であれば、1mも潜ればハロクライン(淡水層と海水層の境目)を越えて比重の重い海水層にたどりつくのですが、先日からの雨でやや水量が多く、白く濁った…

5月某日、深海小物釣り

例によってまたまた本州最南端へ、今年4回目となる深場小物釣りに行ってきました。 釣りの概要については以前の記事に書いたので、今回は出会えた魚を簡単に紹介したいと思います。 サクラダイ Sacura margaritacea 朝一、釣れてくれたのはサクラダイ。日の…

本州最南端で深海小物釣り採集

最近のマイブーム(?)は水深100~200mほどの深場で小さな魚を狙って釣る、通称「深海小物釣り*1」採集です。 おもなターゲットは深場の岩礁帯に棲むハナダイやベラ、トラギスの仲間など。こうした小型魚は底曳き網などの商業漁業の対象にならないことに加…

紀伊半島における川魚文化の覚書き

はじめに 現在のように流通網が発達し、全国で当たり前のように海の魚が食べられる以前は各地で多くの淡水魚が食されてきました。特に大規模水系である琵琶湖や霞ケ浦の周辺、あるいは海産物の入手が難しかった長野県などの内陸部では現在も川魚文化が息づい…

クロウミウマの稚魚

クロウミウマ 紀伊半島南部河川 -1.0m 先日の土曜日はひさびさに紀伊半島南部の汽水域で撮影でした。 これまでになんども通っている川ですが、夏から秋にかけて死滅回遊系の魚の出現が多く、毎年のように新たな種類の魚を見かける個人的にはイチオシのポイン…

ボウズハゼの幼魚

ボウズハゼ幼魚 紀伊半島南部河川 -0.5m ひさびさのハゼネタ。 春から初夏にかけての紀伊半島南部の河川では加入したばかりのハゼ科魚類の幼魚が群れをなして遡上している様子をしばしば目撃します。ヨシノボリの仲間やウキゴリの幼魚も多いのですが、鰭の赤…

古座川のオオサンショウウオ

オオサンショウウオ 古座川 -2.0m 紀伊半島南部の古座川で撮影したオオサンショウウオです。 本種は言わずと知れた世界最大級の両生類で、岐阜県以西の本州および、四国と九州の一部に生息します。 先日の長良川のネコギギの撮影の際、密かに狙っていたのが…

紀南のギギ

ギギ 紀伊半島南部河川 -0.5m 先日は久しぶりに地元、紀伊半島での水中撮影でした(Fishes of Kii Peninsulaとは一体…) 長らく撮影していなかった、とある魚を狙って紀伊半島南部の河川に入ったのですが、残念ながらその魚の姿はなく、代わりに見かけてびっ…

ノボリハゼ

ノボリハゼ 三重県南部河川 -2.0m 三重県南部の汽水域で撮影したノボリハゼです。以前近縁種のクチサケハゼを撮影したのと同じ場所で、いつもはクチサケが優先しているのですが、今回はなぜかノボリハゼばかり見かけました。両種が同一水系に分布する場合、…

春の広川でシロウオをいただく

先日、和歌山県中部を流れる広川の春の風物詩、シロウオ漁の体験に行ってきました シロウオは透明な身体が特徴的な体長4cm前後の小さなハゼ科魚類です。北海道南部から九州までの広い地域に分布し、普段は海に生息していますが、春になると産卵のため川を遡…

セトウチサンショウウオ

セトウチサンショウウオ 和歌山県北部 先日はTwitterのフォロワーさんの案内で1年ぶりにセトウチサンショウウオの観察に行きました。 セトウチサンショウウオは、これまでカスミサンショウウオとして知られていた種であり、Matsui et al (2019)により西日本…

稚アユの遡上はじまる

アユ 和歌山県南部河川 -0.5m 今年もアユが川に帰ってきました! 実は海での稚アユの撮影をしていた先週あたりからぽつぽつと川には入ってきているようでしたが、今週に入り本格的に加入がスタートしたようです。 撮影はお気に入りの和歌山県南部の河川の汽…

オオクチユゴイ

オオクチユゴイ 和歌山県南部河川 -2.0m 紀南地方の河川で撮影したオオクチユゴイです。 本種は本州沿岸では典型的な死滅回遊の淡水魚で、通常、河川に加入した当歳魚はその年の冬のうちに寒さに耐えられれず死んでしまうと考えられていますが、近年の地球温…

砕波帯の稚アユ

アユ 和歌山県南部 -1.0m 今年1発目の水中撮影は海からスタートです。 両側回遊魚であるアユは仔~稚魚期のうちは海洋生活を送りますが、海のどこにでもいるわけではなく、多くは砕波帯(サーフ・ゾーン)と呼ばれる水深の浅い、波が打ちつけるような砂浜域…

カタアシクラゲ?のポリプ

カタアシクラゲ?のポリプ 銚子川 -2.0m 今年初記事です。今年も変わらずのゆるペース更新になると思いますが、弊ブログFishes of Kii Peninsulaをよろしくお願いします。 写真は昨年の末に銚子川の汽水域で撮影した、カタアシクラゲの一種と思われるヒドロ…

2022年のフィールドを振り返る(下半期)

前回の続きです。どんどん振り返っていきましょう。 7月:南紀の汽水域 8月:四万十川のアカメ 9月:カネヒラ 10月:北海道遠征 11月:ビワマスの産卵 12月:冬の銚子川 7月:南紀の汽水域 遠征やら琵琶湖やらで、2か月ほど地元紀伊半島のフィールドがおざな…

2022のフィールドを振りかえる(上半期)

2022年も残すところあとわずか。今年は皆様にとってどのような年になりましたでしょうか?筆者は相変わらずフィールド三昧といったところで、淡水域での水中撮影を中心に北は北海道から南は沖縄までさまざまなフィールドに訪れました。 今回は年末恒例の振り…

潜り収め

今年最後の水中撮影は三重県南部の銚子川でした。水温も10℃あるかないかといった感じでもうすっかり冬の様相。ボラが淵に群れて泳いでいる以外は川の中は閑散としていました。 ボラの群れ 銚子川 -5.0m ビリンゴ 銚子川 -1.0m クチサケハゼ 銚子川 -2.0m 河…