Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

不定期連載・標本写真シリーズ⑨ワカサギ

ワカサギ 上オス73.2mm 下メス70.7mm 琵琶湖産

ワカサギ Hypomesus nipponensis

分類:キュリウオ科ワカサギ属

分布:自然分布域は霞ケ浦以北の本州太平洋側、宍道湖以北の日本海側および北海道。各地の天然湖沼やダム湖に移植分布。

備考:主に東日本の湖沼や汽水域に分布する本種であるが、漁業や遊漁の資源として日本各地に移植され、定着している水域もある。日本最大の湖である琵琶湖へも1910年代と1940~50年代にかけて霞ケ浦三方湖からワカサギ種苗が導入された記録が残るが、すぐに定着したわけではなく、実際に増加を見せたのは1990年代に入ってからであった。本種と同じプランクトン食性の小型遊泳魚として琵琶湖にはホンモロコやコアユが元々生息しているが、これらの在来種とワカサギの間にニッチをめぐる競合があるのかは不明である。琵琶湖では近年、冬の夜間に産卵のため接岸するワカサギを捕まえる「ワカサギ掬い」が手軽に楽しめるレジャーとしてにわかに注目を集めている。

 

2024年初記事です。相変わらずゆるいペースでの更新ですが、飽きずに6年目を迎えることができました。今年も弊ブログ”Fishes of Kii Peninsula”をよろしくお願いします。

記事のワカサギは先日、琵琶湖で採集したものです。ワカサギすくい、年々有名になっているらしく、多くの”同業者”が夜の湖岸でワカサギ捕りに勤しんでおりました。場所によっては群れが目視できるぐらいの密度でいるのでこの冬のうちに産卵シーンの撮影なんかも狙ってみたいですね~