Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

トサシマドジョウ

トサシマドジョウ 高知県河川 -1.5m

高知県の河川で撮影したトサシマドジョウCobitis sp. BIWAE type Dです。
本種はその名のとおり、高知県固有種のシマドジョウで主に県中部の河川中下流域に生息します。本種はシマドジョウ種群4種の中ではヒガシシマドジョウと並び系統的に古い特徴を残しているとされ、日本産シマドジョウ属の進化を考えるうえでも重要な種です。
本種は多くのシマドジョウ属の仲間と同様、生息地の改変や分断により生息数が減少傾向にあり、かつては高知県内の14水系に分布していましたが、現在では8水系に生き残っているにすぎません。そのため、県の条例で希少野生動植物に指定され、無許可での捕獲は禁止されています。今回訪れたポイントは四万十川での撮影の帰りに立ち寄ったもので、岸際の植生近くで多くの個体を目にすることができました。水質や低床の状態も素晴らしく、本種の生息環境としては良好な条件が残されているようです。

 

camera : E-M1 markⅡ
lens :  M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-200, D-2000