宮崎県大淀川水系で撮影したオオヨドシマドジョウです。本種はその名のとおり大淀川水系の固有種で2015年に新種として記載されました。
本種の学名Cobitis sakahokoの種小名は大淀川の水源のひとつである霧島連山の高千穂峰の山頂に突き刺さっている伝説の剣「天の逆鉾」に由来し、さらに本種のオスがもつ長方形の胸鰭骨質板*1をこの剣になぞらえたものでもあります。
大淀川は火山由来の黒い砂が川底に堆積しており、本種の身体の白い地色とのコントラストが美しいです。オオヨドシマドジョウは記載されてから日が浅いこともあり、水中写真はあまり撮られていないので、こうした生息環境とセットの写真を収集していくことは重要です。今回の撮影地は本種の生息環境として比較的良好に感じましたが、一方で大淀川水系には以前記事にしたコウライオヤニラミが国外外来種として定着しており、本種の未来も安泰とはいえない現状もあります。
camera : E-M1 markⅡ
lens :M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-200, D-2000
*1:※本種にごく近縁なヤマトシマドジョウの胸鰭骨質板は円形であり