Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

ビワヨシノボリの婚姻色

琵琶湖 -2.0m 5月

琵琶湖の名産品のひとつにごりの佃煮というものがあります。“ごり”と総称されるハゼ科の稚魚を甘辛く煮詰めたもので、ヌマチチブやイサザの稚魚も含まれますが、その中でも数が多く、主要な構成員と考えられているのがこのビワヨシノボリです*1
ビワヨシノボリは普段、沖合の中層を回遊しているとされていますが、春から初夏にかけての産卵期になると大挙して接岸します。この時期になると湖岸近くはどこもビワヨシだらけ、といった様相となり、莫大な資源量が存在することが想像されます。
産卵期のオスの各鰭は伸長し青白色に縁どられます。喉元も黄色に色づきとても美しい装いです。川底などに着底しながら生活している他のヨシノボリの仲間と異なり、本種は普段から沖合の中層を泳いでいるせいかメスにアピールするときなどもふわふわとホバリングしながらフィンスプレッディング*2することが多いです。そうした生態を感じられる写真になるよう、ホバリングしている瞬間を狙ってシャッターを切りました。

琵琶湖 -2.0m 5月


camera : E-M1 markⅡ
lens :  M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-200, D-2000

*1:“ゴリ”の種判別方法 https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2021887.pdf

*2:鰭を目いっぱいに広げてメスにアピールしたり、別のオスに対して威嚇すること