Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

淡水・汽水魚

琵琶湖のワカサギ

ワカサギ 琵琶湖 -4.0m 氷上の穴釣りで有名なワカサギ。東日本の太平洋側や宍道湖以北の日本海側に自然分布する魚ですが、食べておいしく、水産資源としての需要が高いことから、古くから分布域外への移植が繰り返されてきました。琵琶湖へも1910年代と1940~…

アジメドジョウ

アジメドジョウ 滋賀県河川 -0.5m 滋賀県の河川で撮影したアジメドジョウです。 本種は美しい模様をもつ藻食性のドジョウで、近畿、中部および北陸地方の限られた水系にしか分布しない淡水魚です。河川中上流域の清澄な環境を好み、アマゴやイワナといった渓…

琵琶湖流入河川、アユの遡上

アユの群れ 琵琶湖流入河川 -0.5m 琵琶湖に注ぐ川で撮影したアユの群れです。琵琶湖では様々な魚が漁獲の対象となりますが、中でもアユは水産的に重要で、漁獲量の半分近くを占めます。琵琶湖のアユはほかの地域と同じように河川に遡上し、大型に成長するオ…

滋賀県のハリヨ

ハリヨのオス 滋賀湖東 -1.0m 西日本固有のトゲウオ科魚類、ハリヨは現在、岐阜県と滋賀県に自然分布しています(三重県にも分布していたが、1960年前後に絶滅)、このうち岐阜の個体群これまでに撮影していたのですが、滋賀県のものは未撮影でした。 今回の…

オオガタスジシマドジョウ

オオガタスジシマドジョウ 琵琶湖流入水路 -1.0m もうFishes of Lake Biwaにブログタイトルを改名したほうがいいのでは?という感じですが、今回も琵琶湖の魚の記事です。 琵琶湖には2種のスジシマドジョウが分布しますが、そのうちの一種がこのオオガタスジ…

ウグイの跳躍

ウグイの跳躍 琵琶湖流入河川 琵琶湖に注ぐ川にも、多くの場合、途中いくつかの堰があり、ウグイなど産卵のために遡上する魚にとっては少なからぬ壁となっています。 幸い、ウグイに関しては跳躍力が高いため、そうした堰もジャンプして難なく遡っていきます…

琵琶湖、ウグイの産卵

ウグイの産卵 琵琶湖流入河川 -1.0m 琵琶湖の流入河川には毎年春になるとウグイが産卵のため群れをなして遡上します。 この3年ほど、産卵シーンの撮影目的で春の琵琶湖に通っていたものの、どうにもタイミングが合わせられずに撮れずに悔しい思いをしていた…

湖底からの使者、イサザ

イサザ 琵琶湖 -5.0m 今年もイサザが琵琶湖深部から接岸してきています。 本種は琵琶湖固有種のウキゴリの仲間で、普段は琵琶湖沖合の深層を回遊しているとされていますが、春に産卵のため足がつくような浅場にも出現するようになります。 ここ3年ほど毎年撮…

ホンモロコの産卵

ホンモロコの群れ 琵琶湖 -0.5m 琵琶湖で撮影したホンモロコの産卵です。 本種は琵琶湖固有のモロコの仲間で、普段は琵琶湖の中で回遊生活を送っていますが、毎年春になると琵琶湖沿岸や内湖、流入河川などに遡上して産卵します。長らくその様子を観察してみ…

ハリヨの求愛行動

ハリヨの雌雄 揖斐川水系 -0.5m この週末は東紀州の川に行こうかと思っていたのですが、週の中頃から継続した雨でどこの川も増水していたため、急遽、雨による濁りが出にくいであろう湧水地のハリヨの撮影に行くことにしました。ちょうど今の時期あたりから…

ノボリハゼ

ノボリハゼ 三重県南部河川 -2.0m 三重県南部の汽水域で撮影したノボリハゼです。以前近縁種のクチサケハゼを撮影したのと同じ場所で、いつもはクチサケが優先しているのですが、今回はなぜかノボリハゼばかり見かけました。両種が同一水系に分布する場合、…

春の広川でシロウオをいただく

先日、和歌山県中部を流れる広川の春の風物詩、シロウオ漁の体験に行ってきました シロウオは透明な身体が特徴的な体長4cm前後の小さなハゼ科魚類です。北海道南部から九州までの広い地域に分布し、普段は海に生息していますが、春になると産卵のため川を遡…

稚アユの遡上はじまる

アユ 和歌山県南部河川 -0.5m 今年もアユが川に帰ってきました! 実は海での稚アユの撮影をしていた先週あたりからぽつぽつと川には入ってきているようでしたが、今週に入り本格的に加入がスタートしたようです。 撮影はお気に入りの和歌山県南部の河川の汽…

オオクチユゴイ

オオクチユゴイ 和歌山県南部河川 -2.0m 紀南地方の河川で撮影したオオクチユゴイです。 本種は本州沿岸では典型的な死滅回遊の淡水魚で、通常、河川に加入した当歳魚はその年の冬のうちに寒さに耐えられれず死んでしまうと考えられていますが、近年の地球温…

砕波帯の稚アユ

アユ 和歌山県南部 -1.0m 今年1発目の水中撮影は海からスタートです。 両側回遊魚であるアユは仔~稚魚期のうちは海洋生活を送りますが、海のどこにでもいるわけではなく、多くは砕波帯(サーフ・ゾーン)と呼ばれる水深の浅い、波が打ちつけるような砂浜域…

ヤマノカミ

先週になりますが、現在、開催中の特別展「うなぎの旅展」を見に北九州市立自然史・歴史博物館いのちのたび博物館を訪れました。 unaginotabi.jp 今回の特別展の企画担当である日比野友亮学芸員は筆者の大学時代の先輩にあたり、展示に使用する写真を数点提…

2022年のフィールドを振り返る(下半期)

前回の続きです。どんどん振り返っていきましょう。 7月:南紀の汽水域 8月:四万十川のアカメ 9月:カネヒラ 10月:北海道遠征 11月:ビワマスの産卵 12月:冬の銚子川 7月:南紀の汽水域 遠征やら琵琶湖やらで、2か月ほど地元紀伊半島のフィールドがおざな…

2022のフィールドを振りかえる(上半期)

2022年も残すところあとわずか。今年は皆様にとってどのような年になりましたでしょうか?筆者は相変わらずフィールド三昧といったところで、淡水域での水中撮影を中心に北は北海道から南は沖縄までさまざまなフィールドに訪れました。 今回は年末恒例の振り…

潜り収め

今年最後の水中撮影は三重県南部の銚子川でした。水温も10℃あるかないかといった感じでもうすっかり冬の様相。ボラが淵に群れて泳いでいる以外は川の中は閑散としていました。 ボラの群れ 銚子川 -5.0m ビリンゴ 銚子川 -1.0m クチサケハゼ 銚子川 -2.0m 河…

銀ウナギ

ニホンウナギ 銚子川 -1.0m 昨年の10月に三重県南部の銚子川で撮影したニホンウナギの銀ウナギ(クダリウナギ)です。 ご存じのとおり、ウナギはその一生の終わりに海で産卵しますが、その準備として川にいる段階から身体にさまざまな変化が起きます。一見し…

紀伊半島の魚図鑑No32.  ホウライヒメジ

ホウライヒメジ Parupeneus ciliatus 紀伊半島での呼び名:めんどり、おじさん 分布:房総半島以南の太平洋岸、南西諸島および小笠原諸島。国外ではインド洋から西太平洋まで広域分布する。 生息環境:岩礁帯や内湾、藻場など。幼魚はタイドプールによく出現…

紀伊半島 アユの産卵群

アユの産卵群 和歌山県南部河川 -0.3m ビワマスのシーズンが終わりに近づくころ、紀伊半島ではアユの産卵が盛期を迎えます。昨年はスケジュールをうまく合わせきれずに観ることが出来なかったのですが、今年は以前から目星をつけていた紀伊半島南部の河川で…

ビワマス 産卵床の埋め戻し

ビワマスのペア 琵琶湖流入河川 -0.3m 前回の記事の写真と構図がほとんど一緒ですが、今度は産卵後に卵を埋め戻すメスの様子です。例によって周りがコンクリ張りで砂や礫がほとんどないので、あまり意味はないように思えるのですが、本能的に産卵床の周囲を…

ビワマス 産卵床作り

ビワマスのペア 琵琶湖流入河川 -0.3m 先日、産卵を撮影したペアの産卵床作りの様子です。ペアの、と言いつつ実際に産卵床を作るのはメスだけで、オスはその間ほかのオスを追い払ったり、メスにちょっかいかけて産卵を促したりしています。 産卵の記事のとき…

堰を越えるビワマス

ビワマスの跳躍 琵琶湖流入河川 琵琶湖の周辺は山地に囲まれているため急勾配の川が多く、自然豊かなイメージとは裏腹に治水のため、あちらこちらに堰が作られています。言うまでもなくこうした河川構造物はビワマスたちの遡上の妨げになるものですが、跳躍…

ビワマスの産卵

産卵の瞬間 琵琶湖流入河川 -0.3m 一昨年にはじめてビワマスを撮影して以来、いつかは産卵シーンを写真に収めたいと思い秋の琵琶湖に通って2年。先日ようやくその瞬間を撮影することができました。今年も雨が少なく、まとまった遡上がない中でこの瞬間に立ち…

なかなか難しいビワマス

ビワマスのペア 琵琶湖流入河川 -1.0m 楽しみにしていたビワマスの季節ですが、結局、今年の秋も雨が少ないためまとまった遡上がなく、撮影には苦戦しています。 狙っているのはもちろん産卵の瞬間なのですが、今年撮影するペアは、産卵に至るはるか前の産卵…

秋の日置川とアユの色彩

アユ 日置川 -1.5m この週末は大学の後輩であるSHOWくんと、以前からTwitterで仲良くさせてもらっている中野光さんと紀伊半島南部で合同採集調査でした。トップの写真は調査の合間に日置川で撮影したアユ。これまでに見てきたアユの中でもとびきりに鮮やかな…

ウツセミカジカ

ウツセミカジカ 琵琶湖流入河川 -0.5m ビワマスを探すついでに琵琶湖流入河川で撮影したウツセミカジカです。琵琶湖水系ではよくみかけるカジカの仲間で、湖内の深部から流入河川の中下流域まで広く生息します。 カジカの仲間といえば上流域でしか見られない…

2022ビワマスの遡上

ビワマスの群れ 琵琶湖流入河川 -3.0m 今年も待ちに待ったビワマスの季節がはじまりました。 例年、遡上ピークは10月下旬から11月の上旬にかけてなのですが、今年は先週あたりからすでにかなりの個体が遡上を開始しており、川の中では産卵を終えて力尽きた個…