Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

銀ウナギ

ニホンウナギ 銚子川 -1.0m

昨年の10月に三重県南部の銚子川で撮影したニホンウナギの銀ウナギ(クダリウナギ)です。

ご存じのとおり、ウナギはその一生の終わりに海で産卵しますが、その準備として川にいる段階から身体にさまざまな変化が起きます。一見してわかりやすいのが表皮に金属光沢をもつグアニンが沈着して銀色に変化することで、これが銀ウナギと呼ばれる由来にもなっています。他にも眼や胸鰭が大きく発達したり、胸鰭が黒くなるなどの変化が起き、海洋環境への適応が始まります。ちなみに銀ウナギ化したウナギを見られるのは降海直前の秋から冬の短い期間に限られます。

今回の写真は今年の12月10日から来年1月29日の期間で開催される北九州市立自然史・歴史博物館いのちのたび博物館の特別展『うなぎの旅展』の展示とイメージビジュアル(?)に使っていただきました。

unaginotabi.jp

これは今回の特別展の担当学芸員にして筆者の大学の先輩でもある日比野友亮学芸員に前々から撮影依頼されていたもので、昨年の秋は銀ウナギを探しに紀伊半島のあちこちの河川に潜っていました。しかし思った以上に見つからず、5度目のチャレンジでようやく銚子川で撮影できたものです。撮影地は銚子川の感潮域で、もともとウナギは多い場所なのですが、銀ウナギ化した個体はこの1匹のみでした。

今回のいのちのたび博物館の特別展では他にも筆者の写真を数点、展示に使っていただいているとのことです(まだ見てない・・・)また、ここでしか見られないウナギ科全種の標本展示や、ウナギの漁労文化や食文化に関する興味深い展示が目白押しとのことですので、魚好き、うなぎ好きの方は是非、足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

camera : E-M1 markⅡ

lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
strobe:D-200, D-2000