Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

ノボリハゼ

ノボリハゼ 三重県南部河川 -2.0m

三重県南部の汽水域で撮影したノボリハゼです。以前近縁種のクチサケハゼを撮影したのと同じ場所で、いつもはクチサケが優先しているのですが、今回はなぜかノボリハゼばかり見かけました。両種が同一水系に分布する場合、クチサケハゼが上流の淡水の影響を受ける側へ、ノボリハゼが下流の海水の影響を受ける側へそれぞれ棲み分けるとされていますが、少なくともこの場所では完全に同じ場所に出現し、棲み分けはあいまいなようです。

クチサケハゼとはよく似ていますが、口は大きくなく、上顎の後端は眼の後縁を超えないこと、眼下の横帯はまっすぐで、後方に折れ曲がらないことで区別できます。これまで本種を撮影したことはあったのですが、小さい個体だったり泥を巻き上げてしまって不鮮明な写真になってしまったりと、満足する写りではなかったので、今回それなりの大きさの個体の姿を鮮明に写すことができてよかったです。なお、和名の由来となった“幟(のぼり)”状に伸長する美しい背鰭を写し止めたかったのですが、待てど暮らせど鰭を広げてくれなかったので、その点については次回以降に持ち越しです。

 

camera : E-M1 markⅡ
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-200, D-2000