Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

汽水の泥ハゼ

みなさま、あけましておめでとうございます(2月)

2021年もゆるゆるペースの更新となりそうですが、今年も当ブログ“Fishes of Kii Peninsula”をよろしくお願いします。

さて、フィールドの方ですが、生き物の活動も鈍く、ほとんどオフシーズン、かつドライスーツが股の方から微妙に浸水するようになってきたという理由で撮影にもあまり行けておりません(はやく修理しなきゃ…)

そんな中でも冬から初春にかけて美しい姻色に染まることで知られる汽水ハゼのクボハゼの撮影に行きたい考え、先週の話ですが三重県南部の某河川に撮影に行ってきました。

潜ったのは河口域のかなり泥深い場所。汽水域特有の淡水と海水が混じり合うことによる”ゆらぎ”と、息継ぎのたびに泥を巻き上げて著しく透明度が落ちるため、撮影はおろか、観察にもシビアなコンディションです.しかしツマグロスジハゼやクチサケハゼ、カマヒレマツゲハゼなど冬にも関わらず南方系のハゼたちの姿を多数見ることができました。

 

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ツマグロスジハゼ 三重県南部河川 −2.0m

 

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クチサケハゼ 三重県南部河川 −1.0m

 

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ウロハゼ 三重県南部河川 −1.5m

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コノハミドリガイ 三重県南部河川 −1.5m

特にクチサケハゼやノボリハゼがこの時期まで死滅でずに生き残っているとは驚きでした。また異なるサイズの複数個体が見られたため、越冬している可能性が高そうです。

目的のクボハゼこそ見られなかったものの、予想外の泥ハゼダイビングとなり楽しめました。冬でこれだけ見られるのですから、夏から秋のハイシーズンにはさらに面白そうな種が出現しそうでこれからが楽しみです。

 

camera : E-M1 markⅡ
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-200, D-2000