Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

水中写真

琵琶湖流入河川、アユの遡上

アユの群れ 琵琶湖流入河川 -0.5m 琵琶湖に注ぐ川で撮影したアユの群れです。琵琶湖では様々な魚が漁獲の対象となりますが、中でもアユは水産的に重要で、漁獲量の半分近くを占めます。琵琶湖のアユはほかの地域と同じように河川に遡上し、大型に成長するオ…

滋賀県のハリヨ

ハリヨのオス 滋賀湖東 -1.0m 西日本固有のトゲウオ科魚類、ハリヨは現在、岐阜県と滋賀県に自然分布しています(三重県にも分布していたが、1960年前後に絶滅)、このうち岐阜の個体群これまでに撮影していたのですが、滋賀県のものは未撮影でした。 今回の…

オオガタスジシマドジョウ

オオガタスジシマドジョウ 琵琶湖流入水路 -1.0m もうFishes of Lake Biwaにブログタイトルを改名したほうがいいのでは?という感じですが、今回も琵琶湖の魚の記事です。 琵琶湖には2種のスジシマドジョウが分布しますが、そのうちの一種がこのオオガタスジ…

琵琶湖、ウグイの産卵

ウグイの産卵 琵琶湖流入河川 -1.0m 琵琶湖の流入河川には毎年春になるとウグイが産卵のため群れをなして遡上します。 この3年ほど、産卵シーンの撮影目的で春の琵琶湖に通っていたものの、どうにもタイミングが合わせられずに撮れずに悔しい思いをしていた…

湖底からの使者、イサザ

イサザ 琵琶湖 -5.0m 今年もイサザが琵琶湖深部から接岸してきています。 本種は琵琶湖固有種のウキゴリの仲間で、普段は琵琶湖沖合の深層を回遊しているとされていますが、春に産卵のため足がつくような浅場にも出現するようになります。 ここ3年ほど毎年撮…

ホンモロコの産卵

ホンモロコの群れ 琵琶湖 -0.5m 琵琶湖で撮影したホンモロコの産卵です。 本種は琵琶湖固有のモロコの仲間で、普段は琵琶湖の中で回遊生活を送っていますが、毎年春になると琵琶湖沿岸や内湖、流入河川などに遡上して産卵します。長らくその様子を観察してみ…

ハリヨの求愛行動

ハリヨの雌雄 揖斐川水系 -0.5m この週末は東紀州の川に行こうかと思っていたのですが、週の中頃から継続した雨でどこの川も増水していたため、急遽、雨による濁りが出にくいであろう湧水地のハリヨの撮影に行くことにしました。ちょうど今の時期あたりから…

ノボリハゼ

ノボリハゼ 三重県南部河川 -2.0m 三重県南部の汽水域で撮影したノボリハゼです。以前近縁種のクチサケハゼを撮影したのと同じ場所で、いつもはクチサケが優先しているのですが、今回はなぜかノボリハゼばかり見かけました。両種が同一水系に分布する場合、…

稚アユの遡上はじまる

アユ 和歌山県南部河川 -0.5m 今年もアユが川に帰ってきました! 実は海での稚アユの撮影をしていた先週あたりからぽつぽつと川には入ってきているようでしたが、今週に入り本格的に加入がスタートしたようです。 撮影はお気に入りの和歌山県南部の河川の汽…

オオクチユゴイ

オオクチユゴイ 和歌山県南部河川 -2.0m 紀南地方の河川で撮影したオオクチユゴイです。 本種は本州沿岸では典型的な死滅回遊の淡水魚で、通常、河川に加入した当歳魚はその年の冬のうちに寒さに耐えられれず死んでしまうと考えられていますが、近年の地球温…

砕波帯の稚アユ

アユ 和歌山県南部 -1.0m 今年1発目の水中撮影は海からスタートです。 両側回遊魚であるアユは仔~稚魚期のうちは海洋生活を送りますが、海のどこにでもいるわけではなく、多くは砕波帯(サーフ・ゾーン)と呼ばれる水深の浅い、波が打ちつけるような砂浜域…

ヤマノカミ

先週になりますが、現在、開催中の特別展「うなぎの旅展」を見に北九州市立自然史・歴史博物館いのちのたび博物館を訪れました。 unaginotabi.jp 今回の特別展の企画担当である日比野友亮学芸員は筆者の大学時代の先輩にあたり、展示に使用する写真を数点提…

カタアシクラゲ?のポリプ

カタアシクラゲ?のポリプ 銚子川 -2.0m 今年初記事です。今年も変わらずのゆるペース更新になると思いますが、弊ブログFishes of Kii Peninsulaをよろしくお願いします。 写真は昨年の末に銚子川の汽水域で撮影した、カタアシクラゲの一種と思われるヒドロ…

2022年のフィールドを振り返る(下半期)

前回の続きです。どんどん振り返っていきましょう。 7月:南紀の汽水域 8月:四万十川のアカメ 9月:カネヒラ 10月:北海道遠征 11月:ビワマスの産卵 12月:冬の銚子川 7月:南紀の汽水域 遠征やら琵琶湖やらで、2か月ほど地元紀伊半島のフィールドがおざな…

2022のフィールドを振りかえる(上半期)

2022年も残すところあとわずか。今年は皆様にとってどのような年になりましたでしょうか?筆者は相変わらずフィールド三昧といったところで、淡水域での水中撮影を中心に北は北海道から南は沖縄までさまざまなフィールドに訪れました。 今回は年末恒例の振り…

潜り収め

今年最後の水中撮影は三重県南部の銚子川でした。水温も10℃あるかないかといった感じでもうすっかり冬の様相。ボラが淵に群れて泳いでいる以外は川の中は閑散としていました。 ボラの群れ 銚子川 -5.0m ビリンゴ 銚子川 -1.0m クチサケハゼ 銚子川 -2.0m 河…

銀ウナギ

ニホンウナギ 銚子川 -1.0m 昨年の10月に三重県南部の銚子川で撮影したニホンウナギの銀ウナギ(クダリウナギ)です。 ご存じのとおり、ウナギはその一生の終わりに海で産卵しますが、その準備として川にいる段階から身体にさまざまな変化が起きます。一見し…

紀伊半島 アユの産卵群

アユの産卵群 和歌山県南部河川 -0.3m ビワマスのシーズンが終わりに近づくころ、紀伊半島ではアユの産卵が盛期を迎えます。昨年はスケジュールをうまく合わせきれずに観ることが出来なかったのですが、今年は以前から目星をつけていた紀伊半島南部の河川で…

ビワマス 産卵床の埋め戻し

ビワマスのペア 琵琶湖流入河川 -0.3m 前回の記事の写真と構図がほとんど一緒ですが、今度は産卵後に卵を埋め戻すメスの様子です。例によって周りがコンクリ張りで砂や礫がほとんどないので、あまり意味はないように思えるのですが、本能的に産卵床の周囲を…

ビワマス 産卵床作り

ビワマスのペア 琵琶湖流入河川 -0.3m 先日、産卵を撮影したペアの産卵床作りの様子です。ペアの、と言いつつ実際に産卵床を作るのはメスだけで、オスはその間ほかのオスを追い払ったり、メスにちょっかいかけて産卵を促したりしています。 産卵の記事のとき…

ビワマスの産卵

産卵の瞬間 琵琶湖流入河川 -0.3m 一昨年にはじめてビワマスを撮影して以来、いつかは産卵シーンを写真に収めたいと思い秋の琵琶湖に通って2年。先日ようやくその瞬間を撮影することができました。今年も雨が少なく、まとまった遡上がない中でこの瞬間に立ち…

なかなか難しいビワマス

ビワマスのペア 琵琶湖流入河川 -1.0m 楽しみにしていたビワマスの季節ですが、結局、今年の秋も雨が少ないためまとまった遡上がなく、撮影には苦戦しています。 狙っているのはもちろん産卵の瞬間なのですが、今年撮影するペアは、産卵に至るはるか前の産卵…

秋の日置川とアユの色彩

アユ 日置川 -1.5m この週末は大学の後輩であるSHOWくんと、以前からTwitterで仲良くさせてもらっている中野光さんと紀伊半島南部で合同採集調査でした。トップの写真は調査の合間に日置川で撮影したアユ。これまでに見てきたアユの中でもとびきりに鮮やかな…

ウツセミカジカ

ウツセミカジカ 琵琶湖流入河川 -0.5m ビワマスを探すついでに琵琶湖流入河川で撮影したウツセミカジカです。琵琶湖水系ではよくみかけるカジカの仲間で、湖内の深部から流入河川の中下流域まで広く生息します。 カジカの仲間といえば上流域でしか見られない…

2022ビワマスの遡上

ビワマスの群れ 琵琶湖流入河川 -3.0m 今年も待ちに待ったビワマスの季節がはじまりました。 例年、遡上ピークは10月下旬から11月の上旬にかけてなのですが、今年は先週あたりからすでにかなりの個体が遡上を開始しており、川の中では産卵を終えて力尽きた個…

モヨウフグ属の仲間たち

サザナミフグ、スジモヨウフグ カスミフグ、ワモンフグ 和歌山県南部河川 -2.0m 先日は実に2ヶ月ぶりに紀伊半島の川で撮影でした(Fishes of Kii Peninsulaとは…) 潜ったのは紀南地方の、汽水域の撮影でよく訪れる川。秋の汽水域らしく様々な魚をみかけまし…

カネヒラの貝覗き

カネヒラのペア 琵琶湖流入河川 -1.5m コアユの撮影と並行しながら、先月から引き続きカネヒラの撮影です。 ポイントは前回と全く同じ場所でしたが、今回はあいにく天気が悪く、照度不足と濁りのため3日間の撮影日程のうちまともに撮れたのは初日だけ…という…

コアユの産卵

コアユの産卵群 琵琶湖流入河川 -0.5m 琵琶湖ではほかの地域よりもやや早めの、9月上旬からアユ(コアユ)の産卵が始まります。ということで、産卵狙いで先月から撮影を計画していたのですが、予定がかみ合わず、結局産卵シーズンの終盤となるであろう10月の…

カラフトマス

カラフトマス 知床半島の川 -2.0m 知床半島の川で撮影したカラフトマスです。 カラフトマスはほぼすべての個体が、規則正しく生まれてから2年で成熟して川に回帰するという生活史をもっており*1、そのため、偶数年生まれ群と奇数年生まれ群の資源量に差があ…

オショロコマ

オショロコマ 知床の川 -1.5m 北海道シリーズ、続きます。 世界自然遺産、知床半島には半島部に特有の、渓流的環境が海のすぐ近くまで続くような急流河川が多く、そんな川で優占種になっているのがオショロコマです。本種も今回の遠征の大きなターゲットのひ…