Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

カタアシクラゲ?のポリプ

カタアシクラゲ?のポリプ 銚子川 -2.0m

今年初記事です。今年も変わらずのゆるペース更新になると思いますが、弊ブログFishes of Kii Peninsulaをよろしくお願いします。

写真は昨年の末に銚子川の汽水域で撮影した、カタアシクラゲの一種と思われるヒドロ虫のポリプです。汽水域でこうした刺胞動物を見るのは初めてで、はじめは正体がまったくわからなかったのですが、Twitterでオオウミヒドラ科のポリプ体であろうこと、そしておそらくカタアシクラゲの仲間ではないかということを教えていただきました。

背の高いイソギンチャクのような姿形でまったくクラゲの仲間には見えませんが、ヒドロ虫の仲間は固着生活をおくるポリプ体と浮遊生活をおくるクラゲ体の間で世代交代を繰り返すという生活史をもっており、やがてこのポリプ体から多数のクラゲ体が無性的に出芽して増殖していくそうです。今回撮影したポリプも写真を拡大してよく見てみると、触手の付け根にごく小さなクラゲ体が出芽しています。

ちなみに、カタアシクラゲという面白い名前ですが、これはクラゲ体の傘から生える4本の触手のうち、1本のみが長く伸長し、まるで片足立ちをしているように見えることに由来します。写真のクラゲ体の“芽”も判りづらいですが、触手の1本だけが長く、その特徴があらわれてきているそうです。

拡大写真。中央部分、触手の付け根に小さなクラゲ体が複数見える

camera : E-M1 markⅡ
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-200, D-2000