Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

関東淡水魚行脚part2

↓前半

nature-key-peninsula.hatenadiary.com

 

関東遠征2日目は水系を大きく変え、茨城県の川へ。

茨城在住で学生時代からの友人であるたいちくんにポイントを案内してもらいました。茨城県内の魚を中心に採集・調査して論文・報告をばんばん書いているすごい人でこれほど心強い助っ人はいません。

まずは「前日に撮り逃した魚」が多いという那珂川水系の支流を案内してもらいました。その魚とは一体・・・?もったいぶっても特に意味はないので書いちゃいますが、ギバチのことでした。本種は東日本に広く分布するギギの仲間で、この日の前日の荒川水系での撮影時にも一瞬見かけたのですが、小型個体だった上、すぐに逃げてしまい撮影することは叶わなかったのです。この那賀川水系の支流はたいちくん曰く知る限り茨城県内でもっともギバチの密度が高い川ということでしたが、ナマズの仲間の本種は夜行性のため、この日の夕方以降に狙うことに。ほかにもスナゴカマツカやヒガシシマドジョウも多いということで、夜撮影の下見を兼ねて潜ってみることにしました。

昨日も撮影しましたが、この場所のスナゴカマツカは大きな個体が多かったです。

スナゴカマツカ 那珂川水系 -1.0m

カジカも多くの個体がみられました。割と里川的な環境でも本種がよく見られるのは東日本以北ならではでしょうか?

カジカ大卵型 那珂川水系 -0.5m

地味に嬉しかったのがこちらのモツゴ。西日本にも分布しますが、濁った場所にいることが多く、身近な川魚ながらこれまで撮影できていない種でした。

モツゴ 那珂川水系 -1.0m

オオヨシノボリも美しい姿を見せていました。伸長した背鰭がとてもかっこいいのですが、あまり広げてはくれません。

オオヨシノボリ 那珂川水系 -1.0m

とまぁ、こんな面々を撮影していると、もう一人の同行者でたいちくんの友人の捨石くんがギバチを見つけたというではないですか!急ぎ現場に行くと小さいながら憧れのギバチと対面できました!かわいい!

ギバチ 那珂川水系 -1.0m

西日本のギギに比べるとかなり丸っこい体形でネコギギに似ていますが、やや黒っぽいのが特徴かな?浮石をひっくり返していると出てきたようです。本番の夜を待たずに目標達成してしまいましたが、より大型の個体を狙って引き続き夜も撮影することに。

夜に再び潜るとそこかしこにギバチの姿がありました。昼間に見たような小さな個体がほとんどですが、時折10cmを超える比較的大きな個体も。ギギの仲間らしく水中ライトの光に敏感で、撮影しようと照らすとすぐに逃げてしまうのですが、他のギギの仲間以上に神経質な気が、、、大きな個体の撮影には結構悪戦苦闘したのですが、何とか全身を写した写真を撮ることができました。

ギバチ 那珂川水系 -1.0m

ギバチ 那珂川水系 -1.0m

2日にわたり関東の川を堪能させていただきましたが、喜ばしいことに今回見たいと思っていた魚はほとんど撮影することができました。ひとえにこれはサポートしてもらった同行者の皆さまのおかげです。しかしながら、関東や東日本にはキンブナ、マルタ、タナゴ、ムサシトミヨなどのまだまだ魅力的な魚がたくさんいます。近畿からは遠いですが、これからも折を見て撮影に訪れたいと思います。

 

camera : OM-1
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-200, D-2000