Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

川のその先

汽水域はまさしくハゼの楽園であり、さまざまなハゼたちの棲家となっていますが、その多くは汽水域だけを生活圏にしているというわけではなく、汽水域の延長線上にある内湾域にも生息します。先日はそんな汽水のハゼたちの海での姿を撮影しようと、紀伊半島南部のとある川の河口の先にある泥場に潜ってきました。

あいにく、このところの梅雨時の雨の影響か透明度は撮影ができる限界という感じで、コントラストの低い写真しか撮れませんでしたが、透明度の上がる冬に訪れたらいろいろと面白い光景が見られるのではという予感がしました。年末あたりに再訪してみたいと思います。

ホシハゼ 和歌山県南部 -2.0m

よく見られたのがこちらのホシハゼ。サンゴのガレ場のような場所にもいますが、内湾域にも多く生息します。微妙に色彩パターンが違う個体が混じり、別種か?と疑いましたが、個体変異のようですべて同種みたい。ヒメホシハゼとか混じらないですかね?

ヒメハゼ属の一種D 和歌山県南部 -2.0m

最近気になるヒメハゼの仲間。これは先日出版された百瀬(2024)で記載されているヒメハゼ属の一種D。学名未決定種ですが、紀伊半島南部の泥地では普通種で、汽水域にも出現します。繁殖期にはミステリーサークル様の巣を作るなど、知られざる能力をもった面白い魚です。

www.jstage.jst.go.jp

キンホシイソハゼ 和歌山県南部 -3.0m

キンホシイソハゼも多くの個体が見られました。伸長した背鰭が美しい。本種は内湾的な環境を好みますが、環境的によく似ているはずの汽水域には同じイソハゼ属のミナミイソハゼが出現し、本種はまったく見られないのは不思議なところ。少しでも塩分が薄いとダメなんでしょうか?

クロコハゼ 和歌山県南部 -3.0m

汽水のハゼたちの中でもひと際地味な(失礼)クロコハゼ。実は婚姻色が出たオスの第2背鰭には美しいイエローのラインが入るのですが、なかなかヒレは広げてくれません。

 

camera : OM-1
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-2000, Z-240