Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

猿と鎌:カマヒレマツゲハゼ

カマヒレマツゲハゼ 47.9mm SL 和歌山県

カマヒレマツゲハゼ Oxyurichthys cornutus McCulloch and Waite, 1918

分類: ハゼ科サルハゼ属

分布: 千葉県以南の太平洋沿岸および南西諸島.国外では台湾,グアム,マレー諸島,オーストラリア北岸・東岸,フィジーおよびサモアなどの西太平洋広域から記録がある.

備考:河川汽水域から内湾の軟泥域に生息するサルハゼの仲間。和名のとおり眼上にまつ毛のような皮弁があること,第一背鰭が鎌状に伸長することおよび体背側と胸鰭に黒褐色の点列があることで他のサルハゼ属から識別される.紀伊半島南部では河口域の泥場から得られることが多い.本種は南西諸島などの低緯度域に分布の中心をもつ南方種であるが,平嶋ほか(2010)は本種を和歌山県南部で周年観察しており,同地において本種が越冬している可能性は高い.

 

引用文献
平嶋健太郎・揖 善継・平井厚志.2010.2005 年以降,紀伊半島で採集された興味ある海産魚類.和歌山県立自然博物館館報,28: 61–67.