スミウキゴリ Gymnogobius petschiliensis (Rendahl, 1924)
分類:ハゼ科ウキゴリ属
分布:北海道南部以南の本州,四国および九州.屋久島,壱岐,対馬.国外では朝鮮半島に分布.
備考:かつてウキゴリ汽水型と呼ばれていたもので,益田ほか(1984)により和名が提唱された.過去に同種とされていたこともあり,ウキゴリとよく似ているが第一背鰭の後方に黒色斑を欠くことで識別できる.ウキゴリと比較すると下流域に偏って生息する傾向が強く,かつての別名が示すように汽水域に出現することもある.紀伊半島南部の河川ではウキゴリはほとんどおらず,本種が優先する傾向が強い.
おもな産卵期は春季で,この時期のメスは腹部を黄色く染めた美しい婚姻色を帯びる.なお,岐阜県揖斐川では11月上旬には産卵が始まっている可能性が示唆されており(佐々木ほか,2023),特に低緯度域では従来知られていたよりも産卵期が長期にわたる可能性がある.
引用文献
益田一・尼岡邦夫・荒賀忠一・上野輝彌・吉野哲夫編.1984.日本産魚類大図鑑.東海大学出版会.東京,xx + 451pp., 370pls.