Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

うろりの群れ

ビワヨシノボリ? -2.0m 琵琶湖

琵琶湖の浅場では今の時期、“うろり”たちがたくさん群れています。

うろりは琵琶湖沿岸地域におけるハゼ科魚類の稚魚を総称した呼び名で、琵琶湖では夏場にこれを沖曳き(ちゅうびき)と呼ばれる底曳き網の一種で漁獲し、醤油煮や釜揚げ、かき揚げにして賞味する文化があります。

琵琶湖にはハゼの仲間としてビワヨシノボリ、オウミヨシノボリ、イサザ、ウキゴリおよび国外外来種のヌマチチブの5種が生息していますが、うろりの種組成は季節によって変化し、今回の撮影時期である7月の下旬はそのほとんどがビワヨシノボリの稚魚で占められるようです。撮影した写真を拡大して見ると全長1 cmと少しという大きさですがすでにヨシノボリ属の特徴がよく出ているため、おそらくこの時群れていたのもビワヨシノボリの稚魚たちだったのでしょう。

うろりの醤油煮や山椒煮は道の駅などでも購入できますが、釜揚げやかき揚げなど、佃煮系統以外の料理はうろりの鮮度落ちが早いため産地の近くでなくてはなかなか味わえません。思い出深いのは昨年の夏、琵琶湖の有人島沖島を訪ねたときで、沖島漁協の婦人部「湖島婦貴(ことぶき)の会」の皆様にご馳走になったうろりの釜揚げです。同じ釜揚げでもイワシのシラスとは違う、淡水魚ならではの優しい味わいがたまらなくおいしい一品でした。

うろりの釜揚げ 琵琶湖、沖島

 

camera : OM-1
lens : M. ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
strobe:D-2000, Z-240