Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

ナガレモンイワナ

ナガレモンイワナ -1.0m 滋賀県河川

先日は滋賀県のとある川の上流域へ“幻のイワナ”ともいわれるナガレモンイワナの撮影を狙いに行きました。

ナガレモンイワナは漢字で書くと「流紋岩魚」。その名のとおり通常のイワナであれば斑点模様があるところが、前後に流れているように見える虫食い模様が特徴の特殊斑紋のイワナです。滝や堰などで生息地が分断され、集団の血が濃くなることで突然変異的に出現するとされていますが、今回訪れた滋賀県の河川では恒常的にナガレモン個体がみられる特異な生息地があることが知られています。

とはいえ、その水系でも圧倒的に多いのは普通の斑紋のイワナのようで、上流へ遡って探せども探せども普通のイワナしか現れません。しかもこの川、寄生性の甲殻類であるチョウモドキが異様に多く、アマゴやイワナ、果てはタカハヤにまで多数寄生しているのが見られました。去年も夏にチョウモドキが多数寄生したアマゴを見たので、夏場に異常発生しやすいのでしょうか・・・?それにしても魚がかわいそうになるくらいの寄生の多さで心配になります。

ふつうのイワナを撮影して、ちょっと川を下ると遠めにあまり白斑が目立たない?イワナが一匹いるのが見えました。これは・・・!と思って近づくと、やはりナガレモンイワナ!しかし頭部を中心におびただしい量のチョウモドキが寄生しており、ようやく発見できた喜びより驚きのほうが・・・この日に観察したイワナの中でもっとも多くのチョウモドキが寄生しており、よりにもよってそれがナガレモン個体というのはなんとも巡り合わせの悪さを感じてしまいます。撮影しているとしばらくして上流へ泳ぎ去ってしまいました。無事に生き延びてくれ・・・

寄生虫だらけで状況としては良くなかったですが、少なくともこの沢にはナガレモンイワナが存在していることがわかったので、また時期を変えたりしてチョウモドキが少ないときに再訪して綺麗な個体の撮影を狙ってみたいと思います。

 

camera : OM-1
lens : M. ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
strobe:D-2000, Z-240