Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

紀伊半島の淡水魚図鑑No.23 ロウニンアジ

ロウニンアジ Caranx ignobilis

紀伊半島での呼び名:ひらあじ(串本ほか、混称)、かめあじ(志摩、混称)

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インド・太平洋の温帯から熱帯域に分布するヒラアジの仲間。アジ科魚類中で最大級の種のひとつであり全長1.5m、体重50kgに達する。英名をGiant trevally、またその頭文字からGTと呼ばれ海のルアーフィッシングにおける最高峰のターゲットのひとつとされる。
日本国内では南西諸島を中心に大型個体が多く生息し、釣り愛好家のあこがれとなっていが、もっとも紀伊半島では大型の個体はまれで、多くは冬を越すことができない死滅回遊魚であると考えられている。
本種を含むギンガメアジ属の幼魚は夏から秋にかけて南日本太平洋沿岸に遊来し、その銀白色の体色から“メッキ”と呼ばれ、これもまた手軽な釣りの対象として人気がある。よく見かけるのはロウニンアジ、ギンガメアジ、オニヒラアジ、カスミアジの4種であり、釣り人や漁業関係者からはあまり区別されないことも多いが、本種は鰓蓋上部に黒斑を持たないこと、稜鱗は黒ずまないこと、額の角度が急なことによりほかの3種から識別できる。また本種の幼魚は身体の銀白色が強く。もっともメッキの名が似合う(個人の感想です)。

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和歌山県南部河川産。本種は”メッキ”のなかでも体側の銀白色が強い。