Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

クロウミウマの稚魚

クロウミウマ 紀伊半島南部河川 -1.0m

先日の土曜日はひさびさに紀伊半島南部の汽水域で撮影でした。

これまでになんども通っている川ですが、夏から秋にかけて死滅回遊系の魚の出現が多く、毎年のように新たな種類の魚を見かける個人的にはイチオシのポイントです。

しかし、今年は加入がよくないのか、この時期になっても珍しい魚種の出現はなく、目につくのはクロホシフエダイメジナタカノハダイクロダイといった温帯種のメンバーばかりでした。海のほうでも死滅回遊魚の出現が少ないと聞いたこともあるので、今年はそういう年なのかもしれません。黒潮が近づいたら状況も変わるのでしょうが、今の黒潮大蛇行は6年以上続いており、未だ終わる気配が見えません・・・

そんな中でもうれしい発見だったのが、サムネのクロウミウマ。内湾やマングローブ域といったやや泥っぽい環境を好むタツノオトシゴの仲間で、河川の汽水域にも出現します。紀南の川でタツノオトシゴを見られるとしたらこの種だろうと思い、ずっと狙ってはいたのですが、見つけることができなかったため、今回が初撮影となりました。

それにしても、このクロウミウマ、全高わずか1cm程度と超ミニサイズ。水面近くを浮遊するように泳いでいるところを発見したのですが、最初は枯葉の破片かなにかかと勘違いしていました。これまで見つけることができなかったのも納得の擬態の巧みさです。

本種は最大で15cmを超えるような大型のタツノオトシゴで、その迫力のある大柄な体躯も魅力のひとつです。いつかそんな大型の個体も川で撮影してここで紹介してみたいですね。

 

camera : OM-1
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-200, Z-240