Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

紀伊半島の淡水魚図鑑No.9 ギンガメアジ

ギンガメアジ Caranx sexfasciatus

紀伊半島での呼び名:ひらあじ(串本ほか、混称)、かめあじ(志摩、混称)

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ギンガメアジ 和歌山県南部河川 -1.0m

インド-太平洋の温帯から熱帯にかけて広く分布するヒラアジの仲間。成魚は全長80㎝に達しサンゴ礁域などで見られるが、幼魚はしばしば河川に侵入する。紀伊半島を含む南日本太平洋沿岸では夏から秋にかけて幼魚がよく出現し、ルアー釣りの好対象となることから釣り人からは同属のロウニンアジやカスミアジ、オニヒラアジとまとめて“メッキ”と呼ばれ親しまれる。なお、本州沿岸に出現するものは死滅回遊とされ、その多くは冬を越せないようだ。

紀伊半島各地の定置網等でも漁獲され食用として流通しているが、漁獲の中心は未成魚であり、脂もうまみも少ない淡白な味わいのため、市場価値は高くない。

本種は南日本太平洋沿岸で見かける機会の多いギンガメアジ属4種(ギンガメアジ、ロウニンアジ、カスミアジ、オニヒラアジ)の中でも最も普通にみられ、淡水への適応度が高い。純淡水域で見かけることも少なくない(上の写真も純淡水域で撮影されたもの)。また前述の“メッキ”4種は互いによく似ているが、ギンガメアジは稜鱗が黒みがかること、鰓蓋上部に黒斑をもつことにより他種から容易に識別される。

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ルアーへの反応は良い。夏から秋にかけての良い遊び相手

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小さいうちは特徴に乏しく、同属他種と見分け辛い。

camera : E-M1 markⅡ
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:YS-01