Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

OM-1用ハウジング Ikelite 200DLM/B for OM-1 レビュー①イントロ

オリンパス改めOMシステムのフラッグシップ機OM-1、筆者も発売直後から購入して愛用しています。従来機のOM-Dシリーズと比較しても随所でパワーアップしており、操作性の向上やAF・AE追従50コマ/秒に達した連射速度、手持ちハイレゾショットに代表されるコンティピューショナルフォトなど、撮れないものはないのではないかと思わせる、その基本性能の高さには驚かされるあまりです。

jp.omsystem.com

その中でもオートフォーカス、特にAIによるディープラーニングを応用した“被写体認識AF”の性能は素晴らしいものがあります。これは近年各社のハイエンド機を中心に搭載され始めている、被写体の姿をカメラ側で自動で認識・追尾してAFが働くという機能です。OM-1が対応する被写体は鳥、動物、車、バイク、飛行機、鉄道の6種類なのですが、実は“鳥認識”モードの汎用性がかなり高く、なんと鳥以外の魚や両生類、爬虫類、果ては一部の昆虫までもかなり正確に認識してピントを合わせてくれるのです*1。それってもはや鳥認識じゃないのでは…。

水中写真を撮る筆者が気になるのは当然、この鳥認識モードで魚類をどこまで正確に認識し、ピントを合わせ続けてくれるのかです。標本や生きている魚相手に水槽越しでいろいろと試してみたところ、一般的な魚らしい形の魚はもちろん、ウナギなどの形の変わった魚にも追尾してピントを合わせてくれることが判明し、これは水中に持ち込んだらシャッターチャンスが大きく広がるな~と考えておりました。

そんなOM-1を水中で使うために必要な水中ハウジングですが、近年はあまりカメラが売れないこともあってかわずか3メーカーが製造するにとどまります。今回はタイトルにもあるとおり、Ikelite(アイクライト)社の200DLM/B Underwater Housing for OM-1という製品を購入してみました。

このIkeliteというメーカー、アメリカで1962年に創業した水中撮影機器メーカーで、世界中で展開しているのですが、何故か日本には代理店が存在せず、したがって日本人のダイバーや水中写真家でIkelite製品を使っている人はほとんどいません。日本から購入するには個人輸入が必要になるのですが、実際に購入してみて使用したところ価格の割に造りも悪くなく、水中ハウジングとしての機能は申し分ないものでした。前述のとおり、日本で同社のハウジングを使用している人は少なく、インターネット上でも(日本語で閲覧できる)情報は非常に乏しいため、複数回にわけて、使用した感想などをレビューという形で紹介したいと思います。

 

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*1:お前も鳥ぃ!