Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

地球の海フォトコンで環境大臣賞をいただきました

このたび世界最大規模の水中写真の公募展「地球の海フォトコンテスト」に応募した作品が環境大臣賞/優秀賞に選ばれました。こうしたフォトコンに応募するのは今回が初めてで、いきなり何やらすごそうな賞をいただいてしまい、大変恐縮というか嬉しいというか・・・

3月の頭に先行してウェブ上で入賞者の発表があり、入賞者のリストに自分の名前があったため、はえ~入賞したんや、まぁ佳作くらいかな?という雑な感想をいだいてその時は終わったのですが、後日フォトコンの事務局の方から環境大臣賞受賞ということで個別で電話連絡があり、まさか上位入賞していたとは思ってもみなかったので驚きました。

marinediving.com

 

件の写真はこちらで『薄暮に集う』というタイトルで応募させていただきました。このブログにも、それからTwitterにも載せた写真なので(Twitterに載せたやつは受賞の連絡が来てから速攻消した)、今さら感はありますが解説しますと、昨年の12月に三重県の銚子川で撮影した写真で、写っているのは産卵のため下流域の早瀬に集まったアユです。昨年の秋から冬にかけてはアユの産卵の撮影に力を入れ、紀伊半島の4河川で撮影に挑戦しましたがうまくタイミングを合わせきれず、ようやく最後にこの銚子川で撮影に漕ぎつけました。

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前日にマクロレンズを使って撮影していたため、この日は魚眼レンズを使ってワイドで撮ってみることに。色々なアングルで撮ってみましたが、一番試してみたかったのは夕刻の空の色を取り入れた半水面撮影でした。半水面はよくある撮影手法ですが、トワイライトシーンと組み合わせた写真はなかなか無い(ように思えた)ことと、夕方から産卵を始めるというアユの生態ともマッチしているように感じられたからです。

産卵の瞬間は収めきれなかったこと、アユの群れに寄り切れなかったこと、感度が上がりすぎてしまったことなど課題はいくつかあるのですが、結果的には思い描いていたのに近い写真を撮ることができお気に入りの一枚となりました。この時はドライスーツが浸水状態だったため、寒さに震えながら早瀬に這いつくばって撮影したのですが、そうした苦労(?)も報われ良かったです。

まだまだ撮りたい魚もシーンもたくさんありますし、この受賞を糧にさらに皆様に素晴らしいと言っていただける写真を撮り続けていきたいと思っていますので、これからも何卒よろしくお願いします。

 

camera : E-M1 markⅡ
lens : LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5
strobe:D-200, D-2000