Fishes of Kii Peninsula

紀伊半島のさかな

冬の川

性懲りもなく紀南の川に潜っています。潜る川は大体いつも一緒なのですが、毎回のように新しい発見や新しい魚との出会いがあり本州最南端のポテンシャルを感じさせてくれました。

しかし季節はもう冬。南方系の新規加入魚はもう期待できないですし、むしろ川から少しずつ魚たちの気配が薄れていく季節です。それは川から海に移動してしまったり、水温の安定する深場に落ちたりという理由によるものなのですが、中にはアユのように産卵を終え死んでしまう者もいます。

この川は小規模な割には大きなアユがたくさんいたのですが、今回潜るとずいぶんと数が減ってしまっていました。また残ったアユも写真のようにガリガリに痩せ、力なく泳ぎながら最期の時を待っている状態です。この川には夏前から潜っており、彼らが成長していく様をずっと見てきたので少し切ないですが、来年の春になれば彼らの子供たちがまたこの川に遡上してくることでしょう。

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アユ 和歌山県南部河川 12月

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アユ 和歌山県南部河川 12月

またアユ以外の魚たちも全体的に動きが鈍い…というか寒そうな気がしなくもなかったです。特にユゴイのような南方系の魚には最南端とはいえ本州の寒さは堪えるでしょう…。果たして彼らは生き残ることができるのか。

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マハゼ 和歌山県南部河川 12月

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ユゴイ 和歌山県南部河川 12月

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オオクチユゴイ 和歌山県南部河川 12月

こうして比較してみると(角度の問題かもしれませんが)ユゴイの背中はオオクチに比べてずいぶんと青いですね。この青色とも緑色ともつかない背中の輝きはかなり好きです。

なんだかTwitterに貼った写真と全く一緒で、差別化できていない感もありますが、以上が今回撮影できた魚たちです。せっかく別の媒体を使っているのですから、ブログにはSNSに載せていないような写真も載せたいと思ってはいるのですが、そう何枚も納得のいく写真が撮れるはずもなく難しいですね。努力あるのみです。