前の記事の予告どおり(?)先週末はまたハスの撮影に行こうと琵琶湖の川を訪れたのですが、このところの雨不足で川は瀬切れしており、残念ながらハスの姿はありませんでした。
そこで、はじめは予定になかったのですが、これも前から撮影に行きたいと思っていた安曇川のアユを見に行くことにしました。安曇川は湖西地域一の大河川で、アユ釣りの聖地として有名です。放流も行われていますが、琵琶湖からの遡上アユが多く、ときに3桁の釣果も狙えるほどアユの密度が濃いことで知られています。
釣り人がおらず、友釣りの邪魔にならない中流域のとある淵に潜ると、川底にひしめくようにアユ、アユ、アユ!まさにアユの楽園と呼ぶにふさわしい魚影の濃さでした。早瀬では身体が鮮やかな黄色に色づいた縄張りアユが盛んにコケを食んでいました。強力な縄張りを張っているらしく、ほかのアユが近づくと猛烈な勢いで追い出しにかかります。その際に一瞬広げる背びれの美しさたるや!淡水魚は地味という固定観念を打ち払う鮮やかさです。
琵琶湖のアユは今回撮影した個体のように河川に遡上して大型に成長するオオアユ型と湖に残り小型のまま成熟するコアユ型に大別されます。両者は身体の大きさも、姿かたちも全く異なり、一見では同じ魚とは思えないほどの違いがあります。川に遡る、湖に残る、浅場で暮らす、深場を回遊する、縄張りをもつ、群れで暮らす、コケを食む、プランクトンを食べるetc… 琵琶湖とその周辺の多様な環境に合わせてライフスタイルを変えることのできる柔軟さとその多様性もアユという魚のもつ魅力のひとつかもしれません。
camera : OM-1
lens : M. ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
strobe:D-2000, Z-240