最近ずっと淡水域での撮影ばかりで、海で撮影してこなかった今日この頃(採集は行ってた)。淡水魚も海水魚も平等に愛する博愛主義者としてこれは感心できない。ということでこの日は串本町のタイドプールへ。タイドプールは多くの魚たちの生育の場として重要であり、特に太平洋沿岸地域では夏になると死滅回遊魚の幼魚が多く来遊し、採集家たちを熱くさせてくれます。今の時期は死滅回遊魚の姿こそありませんが、代わりに温帯魚の幼魚の姿が多く見られる時期であり、可愛らしい幼魚たちの姿を写真に収めてやろうという算段です。
ウェットスーツを着て腹ばいになりながらタイドプール内を覗き込むとまずどこでも目についたのがメジナの幼魚の群れ。メジナとクロメジナ、恐らく両種が混じっているはずですが、この大きさだと見分けるのは難しいですね。
他にタカノハダイやカゴカキダイ、ニシキベラなどお馴染みの温帯魚の幼魚がたくさん。少し深いポイントでは成魚は深海魚のムツの幼魚も見られました。
タイドプールでの撮影で花形的存在といえば、実はこのロウソクギンポではないでしょうか?2014年の地球の海フォトコンで本種の写真が地球環境部門のグランプリを獲得したことで、にわかに注目度が上がった気がします。グランプリの写真は屋久島で撮影されたものですが、ここ串本でもそこかしこに生息しています。
本種と言えば夏場の婚姻色の写真が人気ですが、冴えない(?)今の時期の体色も優しい色合いで好みです。あ、でも婚姻色の時期も狙ってみたいかも…ミーハーなので。
タイドプールでの撮影は狭い水域で撮影するがゆえにカメラの取り回しがし辛かったりと制約も多いですが、うまくいけば印象的な写真を撮れると思います。システムがコンパクトな分、一眼よりもコンデジの方が向いているかもしれません。タイドプールは採集家たちにとってある意味”戦場”なところもありますが、たまにはこうしてのんびり魚たちと戯れるのも面白いものですね。
撮影機材
camera : E-M1 markⅡ
lens : M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
strobe:D-200