最近は沖縄に行ったり、岐阜に行ったり紀伊半島以外でばたばたしておりましたが、今週は久しぶりに地元のフィールドでしっかり潜ることが出来ました。
向かったのは熊野川水系の透明度抜群の某支流、以前記事にした場所の下流に以前から気になっていたポイントがあったのですが、長雨による増水で行けずじまいになっていました。
この川の美しさは言うに及びません。水の綺麗な川の多い紀伊半島でも屈指の透明度ではないでしょうか?
大きな淵にごろごろしていた岩の上ではオオヨシノボリが求愛中でした。魚眼レンズで撮影しているので、大きく写すのがとにかく難しい…上の写真もそんなに大きくは撮れていませんが、被写体までの距離はレンズ前10cmくらいです。
レンズをマクロレンズに交換し下流側に潜るとウグイの幼魚の大群に囲まれました。今年生まれの個体のようです。実はこの春はウグイの産卵目当てであちこち探し回ったのですが、結局見れずじまいでした。どこで産卵しているの…??
息を吐くと泡を餌と勘違いするのかさらに寄ってきます。完全に逆光のシチュエーションですが、強めにストロボを当てることで影になるのを防ぎます。くっきりと映し出した宙を飛んでいるかのような仕上がりをイメージして撮影したのですがどうでしょうか?
川の中を潜っているとショッキングな光景に出くわすこともあります。強い流れの中、川底近くで定位している大きなアユを見かけたので、撮影のためゆっくり近づくと様子がおかしい… 普通のアユなら警戒されるような距離でもそのようなそぶりを見せません。何事かと思いさらに近づくと鼻カンを付けられた友釣りのおとりアユでした。仕掛けが根掛かりした後に切れたらしくそのまま動けなくなっているようです。まだ拘束されてから時間が経っていないのか魚体は綺麗でしたが、それでも体力を消耗しているのか逃げる気力もなくなっている様子でした(おとりにはしばしば養殖アユが用いられますが、魚体や鰭の様子から天然の個体だと思われます)。
おそらくこの個体はこのまま流れに揉まれ続け、体力が尽き死んでしまうのでしょう。アユ釣りは最高に楽しい釣りです。アユ釣りする以上根掛かりは避けられないと思いますし、僕も何度か友人にアユを食べさせてもらった手前、釣り自体を否定するつもりは毛頭ありません。が、少しだけ切ない気分になる光景でした。
camera : E-M1 markⅡ
lens : LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5, M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
strobe:D-200, D-2000